ロードスターキャピタル株式会社( 東証PRM:3482)
上場企業の決算情報を
ショートムービーでわかりやすく
- Next ten-Bagger レポート
- IR情報・業績ハイライト
- 企業情報・代表プロフィール
-
公開日:2022.09.26
Next ten-Baggar掲載企業30社の中で時価総額の上昇率1位(2022年上半期:2022/1/4~2022/6/30)の、株式会社ロードスターキャピタル(東証PRM 3482)岩野社長へ、特別取材を行いました!
Next ten Baggar今回は、2022年上半期にて、時価総額の上昇率が著しく高い(時価総額が213.8億円から456.5億円へ、およそ115%上昇した)、ロードスターキャピタル様への特別取材でございます。よろしくお願いいたします。
わかりました!よろしくお願いします。
Next ten Baggar早速ですが、2022年2Q決算の利益率の高さをどのように見ていらっしゃいますか。
今回の決算では、過去に比べても物件の売却に伴う利益率が高かったですね。
1Qに売った物件も2Qに売った物件も、コロナ禍の2020年に取得した物件でした。
コロナの第1波が来た時の比較的割安な時期に買ったので、今期売却して利益率が高くなった、というのが要因としてありますね。Next ten Baggar来期以降の利益率は下がってしまう可能性もあるのでしょうか。
下半期は下がるのか、という質問であれば、ある意味YESです。全部が全部、利益率50%とかではないので、均していけばもちろん下がると思います。
一方で弊社のポリシーとして、これまで買ってきた物件はバリューアップ後に一部売却するものの、資産として物件をどんどん積んでいっています。なので、今保有している物件の中には、4、5年前に仕入れた物件もあるんですよね。そうなると、下手したら仕入れ値の2倍、3倍とかで売れてしまう可能性がある。
そういう物件を売却したときに利益率が高くなりますので、利益率に関しては物件によってデッコミヒッコミがありますね。Next ten Baggarなるほど。進捗率も経常利益ベースで76.8%と高いですが、各セグメント別に濃淡はありますか。
コーポレートファンディング事業は好調ですね。アセットマネジメント事業も当初予想より大分早いペースで残高が積み上がっているので好調です。クラウドファンディング事業だけは、想定していたよりも若干ビハインドしています。
クラウドファンディング事業については、今結構不動産マーケットが良いんですよ。マーケットが良いとどうなるかというと、金融機関が結構アグレッシブに貸し付けを行い始めるんです。そうなってくると我々が貸し付けを行おうと思っていても、「実は地銀さんに相談に行ったらより良い条件が出てきてしまいましたので、ロードスターさんには申し訳ないけどお断りします。」、というように苦戦する部分が出てくるんです。
ただクラウドファンディング事業の売上そのものは良くも悪くもそんなに大きくないので、収益に当たるインパクトとしては小さいですね。Next ten Baggarこのあとセグメント別にもお伺いするのですが、クラウドファンディング事業はどのように捉えているのでしょうか。
そうですね、クラウドファンディング事業は非常に大切にしています。会社がだいぶ大きくなってきたので我々がクラウドファンディング事業の『OwnersBook』で資金調達することは現時点ではないんですけれども、将来的にその可能性も出てくるかもしれません。
大型の物件を購入する時など、必要となった時には『OwnersBook』を活用して資金調達することも十分にあり得るので、その時に備えてもクラウドファンディングを育てています。
一回一回募集できる金額を大きくしていくことが課題ではありますので、そこは継続的にやっております。Next ten Baggarありがとうございます。後半でもクラウドファンディング事業について詳しくお伺いします。
コーポレートファンディング事業は絶好調。過去最高値の物件の売却を実現し、高い利益率を確保
Next ten Baggarまず、コーポレートファンディング事業について、2020年度から2021年度を境に販売用不動産の一物件当たりの金額が伸びていますが、この背景を教えてください。
2つ要因がございます。
1つは、会社の規模が大きくなってきたことで大きめの物件を買うことができるようになった、つまり会社としての体力がついてきた、ということです。当然、小さな物件でちょこちょこ利益を出していくよりは、大きな物件で利益を出した方がより効率的になります。
もう1つは、機関投資家の動きが活発になっていることですね。機関投資家の動きが活発になると、金額が大きい物件であればあるほど流動性が高くなってきます。
10億円の物件は機関投資家にはなかなか買えないですが、それが例えば30億円の物件になったら買えますとなるので、我々としてもマーケットのホットなところというか、流動性の高いところを狙っていきます。
今後数年間は、大型の物件の方が流動性は高く、利回りは低くなっていく傾向にあるので、我々もそこを見据えて、会社の体力がついてきたということもあり、比較的大型の物件になるべくフォーカスしているような状態です。Next ten Baggarありがとうございます。続いてコーポレートファンディング事業の売上高や物件売却数のことについて、2QだけほかのQに比べて売上高が多くなっています。その背景が気になるので、教えてください。
不動産会社としては、あまり期ズレってしたくないんです。
例えば、第四半期に売上を立てることを予定していました、決算はこうなると思っていたのに、期をまたいじゃったから今期の売上が下がって減収に転じます、となるのは避けたいんですよね。すると4Qにはあまり大きな物件の売却って当てたくない。
一方で、1Qに売却しようとすると、3、4Qから動いていかないといけない。できないことはないんですけど、大体忙しかったり、ラストQもバタバタしていて。
大体2、3Qがやりやすくて、前半戦である程度数値が上がっていると、後半戦に計画が立てられるので、大型物件があったら2Qくらいをターゲットに活動しているというのは、傾向としてありますね。Next ten Baggarそういうことなんですね。今のお話に関連するのですが、不動産取得後について。賃貸収益が入るまでの期間はどのような仕組みになっているのでしょうか。
賃料が入るまでの期間はちょっと難しくて。ものによっては満室稼働していて、買ったその日から収益貢献する物件もありますし、一方でそうでないビルもある。
満室稼働している物件って取得競争が非常に激しいんです。
例えば満室のビルであれば、その物件は収益をいくら生めますかって言ったら答えが出ますよね。買う人からすると利回り何%で買うかだけの商品になってしまう。
そうなってしまうと、我々の強さってあんまり発揮されずに、低い利回りで良しとする機関投資家さんに買い負けてしまうんです。
では我々がどういうときに強さを発揮するのかということなんですが。
機関投資家さんからすると、物件が空であったりとか、半分いなかったりすると、これは2万円でとれるのか2万2,000円でとれるのか、1万5,000円でしかとれないのか自信がないんです。
なので、空室になればなるほど、競合が減って、我々の強さが発揮されますね。Next ten Baggarロードスターキャピタルさんは、満室であろうと空であろうと関係ないのでしょうか。
そうですね。自分たちはこのビルが2万円で埋まると思ったら2万円で埋めていく自信がある。そこは満室であろうと空であろうと差はないですね。
結果として、今期は空に近い物件を買うことが多いので、当初の収益貢献が遅れています。
空で買ってくるとそこからリノベーションしてテナント募集してテナントを入れるんですけど、多少フリーレントあげたりするので、意外と最初の1年間は収入がなかったりするものです。
なので、賃貸売上が一時的に下がることに関してはそんなに心配はしていないです。Next ten Baggarありがとうございます。販売用不動産について、不動産を増やすのって現金も土地も両方大切だと思うんですけど、どちらかと言ったらどちらの方が必要なのでしょうか?
お金がないと買えないからお金の方が大事なんでしょうが、過去上場してから増資ってしたことなくて。
むしろ自社株を買ってるくらいなので、お金は株主還元に使っている方なんですけど、いい物件があってお金が足りないっていうのであれば、既存のビルで現金化できるものがいっぱいあるので、それを売却しながら利益計上していけばいいと思っています。
我々は年間予算200億円弱くらい買う計画をしているんですけど、それにちょうどいい物件も見つかっているかなという感じで、逆に1,000億円買えって言われれば買えないことはないですけど(笑)、
自分たちの身の丈にあった成長でいうと、ちょうどいいバランスかなと。
去年なんかはなかなかいい物件が買えなくて、当初想定の予算に比べると足りなかったとか。今期はどうかな、予算通り進んでいるか・・・もしかしたら予算を超えていけるかもしれない。どうしても予定していたよりも超過するときもあれば足りないときもある。長い目で見て、好調に進んでいければいいかなと思います。アセットマネジメント事業も順調に進捗。今期はAUM(受託資産残高)760億
Next ten Baggarでは次に、今期もAUM(受託資産残高)760億円と伸びているアセットマネジメント事業についてお伺いします。まず、海外投資家からの需要って円安で実際に伸びているんでしょうか?
これは面白くて、買いたいと言っているのは海外の投資家さんなんですよ。でも意外と買っているのは国内の機関投資家っていう。
海外の投資家が予算を注いで買いたいと言っているんだけども、意外とここ数年でファンドが立ち上がりまして。今から買うぞと言っている人たちは苦戦しているような気はしますね。
弊社でも国内外の機関投資家、別に色を付けているわけではなくアセットバイアセットで、「これはこっちの投資家さんのほうが強いかな、とか、これはこっちの投資家の方が好きかな」みたいな感じでご紹介するんですけど。
結論からするとほぼほぼ国内が強いですね。
「買いたい!」って言うのは海外の人で、実はこそっと買っているのが国内っていう図式になっているかもしれないです。Next ten Baggarなるほど。不動産取得において、駅に近かったり、大通りとか、そのような物件をポイントに買っていくのかな、と思うんですが、他との競争にどのように勝っているのかをお伺いしたいです。
良くも悪くもメリハリはついていると思いますね。最近だったら不動産って収益性が評価されるので、キャップレート4%で買いたい、みたいな人が多いんですけども。
やっぱり我々はモノが良ければ3%でも買いますし、モノが良くなければ5%でも買わないし、メリハリを大事にしています。
これは経験則上やっぱりいい物件って人気あるんですよ。みんなが4%で欲しいな、と思ってても、「これ良いな」と思ったら、実はこれ3%でも売れる可能性が高いな、とか。Next ten Baggar「良い物件」とは、具体的にどのような物件でしょうか。
意外と単純で、第一印象だったりするんですよ。
当然エリア的なものはあるんですけども、やっぱりそのパッと見た時の第一印象。ビルの質感であったりとか、これ良いなっていう。なんていうんですかね・・・
恋愛の感覚と一緒なのかもしれないですけど、「どこが良いのか分からないけどなんとなく良いな」と思える、その、あるんですよ(笑)。このビルなんかすごい良いな、っていう。
逆にいうと、立地も良いんだけど、あれなんかこの物件、ビビッと来ないな、とか、あれなんかそこまで前向きにならないなっていう物件もあったりして。Next ten Baggar興味深いですね。センスも大事そうですね。
因数分解すると、それが間口の広さであったりとか、それが外壁が石張りなのかタイル張りなのか、とか、あとはエントランスの雰囲気であったりとか、意外と日当たりなのかな(笑)。
不動産にもう20年近く投資している人からすると、これ売れるな、とかこれはちょっと厳しいな、っていうのが大体分かるんですよね。
ぱっと情報が来た時に、数字がイメージできて「あ、これ実はすごい良い物件じゃないかな。今急いでやんないといけないんじゃないかな。すぐやります、すぐ買います。」という、その閃きというか、ある意味経験に基づく勘っていうのがあって。
「これは良いのか悪いのか分からないので、社内の評価チームに投げときました。」みたいな会社だと、他の会社さんにもう抑えられちゃいました、ということもある。
そういう閃きとか数字も含めた感度は大事かもしれないですね。Next ten Baggarスピード感が大切なんですね。ホテル領域も始められましたが、それはインバウンドが活況になる前に、先行して始めたのでしょうか。
多分同じことを考えている人たちっていっぱいいて。みんな今、良いホテルがあるなら買いたいって不動産会社だらけだと思うんですよ。
みんな分かっているんだけどできないから難しいのがホテルなんです。
どういう意味かっていうと、当然良い物件は高いんですよね。コロナが、もう2、3年あったとしても、そのホテルの値段がそんなに安くなるかというと、あんまりならない。
それはやっぱり、コロナが落ち着いたらインバウンド回復するよねってみんなが分かっているし、金融機関さんも分かっている。
無理に売る必要性もそんなにないので、なかなか出てこないので、みんな待っているけど買えないんです。Next ten Baggarそんな中でも、売りたい人は出てくるのでしょうか。
はい。その中でごく稀に、どうしてもちょっと今すぐ売りたいんですよね、っていう人が出てきます。そういう情報が来た時にどれだけ迅速に動けるか。もしくは「これはすごい良い物件じゃないか」っていう判断をできるか。
たとえば一番計算しやすいのはマンションで、だいたい部屋の家賃分かるし、収支ってすぐ出ちゃうんです。その次が事務所で、その次に難しいのが店舗ですね。一番難しいのがホテルなんです。
ホテルっていうのは変数が多いし、今回みたいにコロナ禍とコロナ後で部屋のレートが数倍違ったりしてしまうので、非常に計算が不確定な要素があり、なかなかぱっと見で「これいくらで割安なのかな」って意思決定できないんですよ。
だからそういうのも、多少の経験や、経験だけじゃなくてネットワークも重要になってきます。
ホテルだったら当然ホテルに詳しい人たちがいるので、その人たちの意見を聞きながら、「これって大体ルームレートってコロナが終わった後っていくらぐらいになりますかね?2019年に対してどうですかね?」みたいなことをスピード良く議論すると、チャンスが生まれるんです。Next ten Baggarここでもスピード重視ですね。その交渉も優位にできているのでしょうか。
そうは言っても、たとえば今、ホテル買おうと思ったらまだなかなか金融機関さんが融資しないんですよね。
もしくは融資する、と言っているんだけど、最後紐解いていくと売買金額の半分も出ない、みたいな話になってくる。
そういうところでいうと、弊社が上場している会社であって、比較的金融機関さんからもご信頼いただけているので、資金調達できて、買うに至りました、という感じです。そのあたりは、会社としての総合力かな、と思います。Next ten Baggar仰っていただいたように、良い情報が入ってきたり優位な交渉ができたりするなど、周囲からの信頼があるからこそで、御社の強みかなと感じます。
逆に弱みに感じている部分を教えてください。弱みと言うべきなのかどうか分からないんですけど、弊社はまず東京の物件にフォーカスしています。なぜなら、東京で物件を売買することが一番パフォーマンスが上がるしリスクも低いと考えているからですね。
会社が大きくなっていく段階では、エリアを東京に絞るよりはたとえば大阪とか福岡を加えた方がいろんな物件も買えるし、規模感も出てきます。人によっては地震に対するリスク分散で東京一極集中は嫌だよね、という考えの人たちも出てくるので、長い目で見るともしかしたら地方に重点を置いてやっていくっていうのも、あるのかもしれないですね。クラウドファンディング事業は将来を見据えて慎重に注力
Next ten Baggarでは次にクラウドファンディング事業についてお伺いします。冒頭にもあったように、他の事業と比較して売上規模が小さい形になっていますが、あえて今は成長を急がずに注力している背景をお伺いしたいです。
はい。我々は不動産会社として自分たちで個人から資金調達できるメリットってすごく大きいと思っているんです。だからこそ丁寧に育てていきたい。
もしかしたらこれは、個人投資家さんからすると見えにくい論点かもしれません。極端な例で言うと、「もうクラウドファンディングなんて売上数億円にしかならないんだからやめちまえ。」と。「ビル買って売っている方が断然儲かるじゃないか。」と言う人たちもいて、ある一面ではそれは事実であるんですよね。
ただ、じゃあ過去を振り返って、リーマンショックみたいな、何かしらのクラッシュが起きて、金融機関さんがみんなもう貸し出しできません、止めます、と言わざるを得ないような状況になったときに、やっぱり我々は個人のマーケットから10億円、20億円をいつでも調達できるという武器を持っているというのはすごい差別化になる。
会社としても安定するし、たとえば弊社とお付き合いある金融機関さんも、「ロードスターキャピタルさんは最悪自分たちで資金調達できるくらいだから、むしろ貸しやすい」となるわけです。Next ten Baggar貸さないと潰れてしまう会社、ではなく、最悪自分たちでも調達することができるくらいだから、貸しましょう、となるわけですね。
そうですね。我々からするとクラウドファンディングがあって自分たちが資金調達できるがゆえに、たとえば投資も若干アグレッシブにできたりとか、意思決定もアグレッシブにできたりする面もあります。
また逆の面で見ると、クラウドファンディングをやることによって、たとえば色んな個人の不動産会社さんとか、中堅どころの不動産会社さんの間で当社グループの認知が広がり、逆にそういう会社さんたちの色んな情報も流れてきて、ネットワークもどんどん広がっていく、ということにも繋がります。
だからそういう意味で言うと、パッと見のPLの主力の貢献度でいうと大きくないんですけども、会社に集まる情報とか、資金調達できるっていうポテンシャルとかを含めると、我々はこれは非常に大事だと思っているんです。だからこそ、クラウドファンディング事業は売上規模は小さくても大切な柱の一つとして扱っています。Next ten Baggarクラウドファンディング事業は、売上を目的にはしていないんですね。
はい。クラウドファンディングで売上を上げて報酬を得ることが目的ではないです。これは過去同業者が色々失敗していて。
投資商品なんだから個人投資家にリスクを負わせても仕方ないと割り切ってしまえば、言い方悪いけど、案件組成っていくらでもできるんですよ。お金を借りたい人っていっぱいいるので。
相談案件に全部貸しますよって言えば、そりゃいくらでも貸せるんですけれども、当然そういうことをするとお金が返ってこないリスクが高くなります。だから我々は、そこをできるだけ確度高くお金が返ってくるような案件に絞ってやっているので、どうしても商品化できる案件数が少ないんです。
案件数が少ないことはたしかにデメリットでもあり、広げていく方がベターではあるので、その努力は当然惜しまないんですけれども、売上を上げることは目的にはしません。
自分たちがマーケティングして、結果として売上が上がっていく分には全然ウェルカムなんですけど、今期は10億円やらないとだめだから無理矢理でもやりましょうっていうカルチャーではないので、そこはやっぱり個人投資家のリスクを低くすることの方が優先度は高いと考えています。Next ten Baggarありがとうございます。クラウドファンディングは貸付型とエクイティ型、2種類ありますが、エクイティ型は他であまり見ないなと思います。このエクイティ型の展望を伺いたいです。
エクイティ型というのは、先日リリースを出しましたが、2件やって2件とも償還が終わりまして。パフォーマンスはIRR22.8 %と10.4%と非常に良くて。
個人の投資商品としては期待利回りでそれだけの高いものが上げられることはないので、結果として非常に良かったかなと思います。
だったらもっといっぱいやってくれって言われます。ただ、じゃあなんでたくさんやらないのっていうと、これ案件組成するのが大変なんですよ。我々からするとそういうのをいっぱいやっていきたいとは思う反面、今の法制度の中でやろうとするとかなりハードルが高いんです。
会社としてある意味こういうこともやっていって、できれば個人の投資家に還元していきたいと思う反面、じゃあそれを継続的にどんどんやれるかっていうと、今はそこまでの環境でもないんです。Next ten Baggar継続的にできない環境の要因は何でしょうか。
エクイティ型って情報開示が求められるので、売主さんにもご協力いただかないとなかなか商品化ってできないし、時間がかかってしまうんですよね。
売主からすると、4か月後に決済する、と言うと、だったらもう来月買う人に売りたいです、って感じになり、なかなか難しくて。
それをやるんだったら、今のREITみたいな形で弊社が一旦買って、それを個人投資家に再販する、譲っていくっていうやり方はたしかにあるんですけど。
そうなったときに利益の配分を、100で買ってきたものを120で個人に売ってしまうと、それは個人からするとなんで20もロードスターさんが抜くんだ、と思われてしまう。
一方で弊社のトラックレコードでいうと、買った値段の通常3割増しで売っているのに、それを数%もしくは1割を乗せて個人に売ったら、
ロードスターキャピタルの株主としては「いやもっと高く他で売れるのに、なぜそれを個人投資家に安く売っちゃったの?」と言われるリスクも出てきてしまう。
そこのバランスがなかなか難しいなっていうところです。
とはいえ、どこかで解決しないといけない。
長い目で見れば、一回バランスを見て個人投資家に販売していくっていう方が、結論としては近いかもしれないですね。Next ten Baggarありがとうございます。
最後に、下半期の展望について聞いてみました
Next ten Baggar冒頭に戻り、決算についてお伺いします。今期進捗75%という御社ですが、下半期の展望をお伺いしたいです。
そうですね、どの物件を売却するかによって、当初予算を上回っていく可能性もあるし、良くも悪くもブレーキを踏んでいる限りにおいては、そんなに予算から乖離するわけでもない。そこに関してまだどうするか、っていうところは未定です。
逆に言うと上方修正しないってことは下半期ずいぶんブレーキかけているんですね、っていうことにも繋がるんですけど、そこはもうマーケットと来期も見据えながらの判断になる。だから、先ほども言ったように今期もっと物件売却すれば利益出るんじゃないですかって言われれば、結論YESです。
上方修正しようと思えば、いっぱい物件売却していくらでも利益は出ます。ただ、それが今の弊社の中長期的な成長においてプラスなのかマイナスなのか、っていうところの判断になるので、弊社としては今期売らなくても来期でもいいと思ったら来期に回します。
例えば資金需要がすごいあって、良い物件がゴロゴロ転がっているのにお金がないよっていうんだったら、まあ多少利益出してお金回しましょうっていう話になりますし、
今そこまで良い物件がゴロゴロ転がっていない競争が激しい世界なのであれば、今持っている物件をしっかりどんどんバリューアップして持ったほうが
付加価値が高くなっていく可能性があるので、そこをしっかり育てましょう、という判断になる。そこはマーケット見ながら臨機応変に対応していくつもりです。
繰り返しになりますが、2Qでいうと、やっぱり大型の物件を売却してしまった関係で、売上が頭一つ出てしまっているので、それが普通だと思われてしまうと困るなというところがあります。
弊社の場合は年間、期末でまとまった数字を見て何となく比較してください。会社としては20、30%ぐらいの成長は目指していきますが、じゃあそれが2倍3倍に売上が上がるようなこういうデッコミヒッコミするようなプランではいかないと思います。Next ten Baggar増配について、配当性向15%目安、というのは何を基準に引き上げるのでしょうか。
そうですね、基本的に増配する場合って要因が2つあります。
これまでは配当性向15%目安をうたっているので、当期純利益が増えれば当然配当も増えますし、あとは配当性向15%のところを引き上げれば配当は増えます。
これもまだ議論の最中なので決まっているわけではないんですが、マザーズにいる間は会社としては成長のスピードも速いし、規模拡大っていうのもあったので、あまり配当率を上げるということは考えていませんでした。
一方、プライム市場に行けたということで、ここからは当然成長っていうのもあるんですけど、投資家からすると安定っていうところも望まれるところだと思うので、そのバランスを見たうえで、15%よりは多少上げてもいいんじゃないかっていう議論はあって。そこは最終的には期末に向けて議論していく論点になるかなと思います。Next ten Baggarありがとうございます。最後に10年後の不動産市場と、10年後の御社・ロードスターキャピタルの展望をお聞かせください。
不動産市場も、もっと開かれていくと思います。とはいえ属人的なビジネスでもあるので、株式のマーケットみたいにオンラインですべて解決するっていうところまではいかないと思いますが、
一方で投資商品としては「この100億円のビル」じゃなくて、「個人も10万円、100万円から投資できるビル」っていうような仕組みには充分できるとは思いますね。
そういう意味で言うと、投資商品としての不動産というのは格段に流動性が高くなって選択肢が増えていくと思います。
ただ一方で、不動産を扱ってる人たち、もしくは分野からすると当然多少情報化は進むでしょうし、やりとりは過去に比べるとスムーズにはなりますけど、ただ結論としてやっぱり人を信頼して成り立っているビジネスなので、
人との信頼、人との関係で成り立つビジネスっていうところは変わらないかなと思います。
会社として、開示されて情報化・効率化されていくところは最大限に当然努力して取り組んでいきますし、
一方で、属人的な人との信頼関係やコミュニケーションっていうのも大事にするので、そこをおざなりにするつもりは全くなくて。
やっぱりそこは、不動産会社としては不動産会社としてのコミュニケーション・リレーションシップっていうのは大事にしていきたいなと思います。
長い目で見たら、50億円、100億円は、クラウドファンディングで一晩で調達できる額だとは思いますので、クラウドファンディングサービスを運営していることによる他社との差別化とか、そういう時代になったときに不動産マーケットはどういう風に変わっているのか、もしくは我々がどう変えていけるか、っていうところは、会社としてみんなが興味を持って取り組んでいるところではないかなと考えております。Next ten Baggar今後のロードスターキャピタルにも期待大でございます!
岩野社長、ありがとうございました!上半期最終日:2022年6月30日
上半期最終日時点の時価総額:456億54百万円
当記事は、有価証券への投資を勧誘することを目的としておらず、また何らかの保証・約束をするものではありません。
投資に関する決定は利用者様ご自身のご判断において行っていただきますようお願い申し上げます。 -
IRニュース
-
会社情報
- 社名
- ロードスターキャピタル株式会社 Loadstar Capital K. K.
- 本社
- 〒104-0061 東京都中央区銀座1-10-6 銀座ファーストビル2F
- 電話番号
- 03-6630-6690
- 代表者
- 岩野 達志
- 設立
- 2012年3月14日
- 資本金
- 14億2百万円(資本準備金とあわせて27億94百万円)
事業内容
クラウドファンディング事業
コーポレートファンディング事業
アセットマネジメント事業
仲介コンサルティング事業
役員
代表取締役社長 岩野 達志
取締役 久保 直之
取締役 成田 洋
取締役 川畑 拓也
社外取締役 和波 英雄
社外取締役 大西 純
社外取締役 舩木 真由美
監査役 田中 宏
社外監査役 有泉 毅
社外監査役 上埜 喜章
代表プロフィール
岩野 達志(いわの たつし)
東京大学農学部卒。一般財団法人日本不動産研究所にてキャリアをスタートし、不動産鑑定業務に従事。 2000年よりゴールドマン・サックス・リアルティ・ジャパンにて自己投資・運用ファンドの不動産取得部門、2002年以降はアセットマネジメント部門。2004年からロックポイントマネジメントジャパンLLC ディレクターとしてエクイティ500億円以上、案件総額3,000億円以上を実行、ロックポイントグループの日本における不動産投資業務をリード。 不動産鑑定士、宅地建物取引士