億り人・井村俊哉氏の投資手法について学べ!

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コラム記事

億り人・井村俊哉氏の投資手法について学べ!

  • 公開日:2022.10.16

    ※この記事は、2022/01/12に公開された、IRTV for YouTube内のコンテンツ【個人投資家研究所】動画の対談内容を記事に起こしたものです。

    元芸人の個人投資家として広く知られる井村俊哉氏。元々お金に対して異常なほど関心があり、学生時代から「いつか自分は株式投資をするだろう」と考えていたそう。そして20歳の時、芸人を志すも「お金がなければ夢も追いかけられないだろう」という思いからついに投資をスタート!

    しかし、開始資金100万円をリーマンショックによってほとんど失うという衝撃的な投資スタートだったのだとか。「今は完全に投資家だと自覚している。自分のスタイルはファンダメンタルズを丹念に調べるというもので、すべての決算に目を通して1日15時間は投資に捧げている。「ここまで株に狂っている奴はいない」と思う自負の元、プロとしてやらせていただいている。」

    そんな井村氏は、実は全くの独学で株を始めたそうで・・・

    井村氏が投資を始めたきっかけ

    「人の行く裏に道あり花の山」という言葉があって、万人と同じ行動では利益を得られないと考えて、誰に学ぶことなく独学で学びました。

    人生のほぼ全てを投資に捧げているので。食にも関心がないし、旅行もいかないし、娯楽もやらないし、女性関係では今の嫁さん意外と付き合ったことがないんですよ。株以外が入る余地がない。これくらい熱を込めてやれる人が日本中にいるのって逆に聞きたい。

    子供がいるので遊んだりもしますけど、その他の時間は開示資料を読んだりとか深堀をしたりとかっていう風に株に人生を捧げているわけですよ。

    株式投資に対する情熱がすごいですね。

    しかし、誰もが井村氏のように投資に人生を捧げられるわけではありませんよね。
    独学で始めてみたいけど、そんなに時間はかけられないし何から始めればいいのかもわからない…。そんな方が多いのではないでしょうか。

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    ということで、「井村式 独学で簡単に株式投資を学べる3ステップ」を教えていただきました!

    井村式独学で株式投資を学ぶ3ステップ

    ❶図書館で「株」と名の付く書籍を全て読み漁る

    皆さん断片的に投資の知識を得ていると思うんです。

    インフルエンサーがこんなことを言っていたな、というような感覚でなんとなく始めてしまうと投資のルールがわかっていない訳です。失敗しないためには、まず「株のいろは」を学ばなければいけないんです。

    そこで手っ取り早いのが「書籍」なのですね。しかし、どうして「図書館」で?

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    無料で借りられるからです。コストはかけずに情報だけ得ることができる。かつ図書館だとフィルタリングが効いています。図書館側が良しとしたものでなければ図書館には並びません。

    実際、井村氏が専業投資家をやっていくことを決めたときは、図書館で「株」とつくものを検索し片っ端から取り寄せて全部読んだそう。

    何が良くて何が悪いかなんてわからないんですよ。あの人が勧めていたからではわからない。自分で読んでみていいか悪いかを判断しないといけない。銘柄も一緒です。

    全部読んでみてどう変化したのでしょうか?

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    読んでいると、同じようなことを言っているなっていう大事な要素が見えてきます。ピックアップすると大事なことが浮かび上がってくるんです。いろいろな本を1つの情報の取得元ではなく多数の本から取ってまとめます。

    ❷戦略を立てる

    ❶で本を漫然と読んでやった感だけで終わってはダメなんですよ。読んだだけで身についていないということになるじゃないですか。それを防ぐためにまずメモを取る、アウトプットをする。インプットをした時に何が大事だったのか書き留める。そうやって集めた要素をもとに戦略を立てるわけですよ。どういう方向で自分が利益を稼いでいくか考える。

    「戦略を立てる」というとハードルが高い印象があるのですが…。

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    株で利益をあげるということはかなりハードルが高いと思った方が良いです。株で利益をあげるという行為は、マーケットよりも自分の方が詳しいという証明だと思うんですよ。

    マーケットと同じくらいの知識・テクニックしかないのであれば、インデックスで積み立てた方が良いに決まっています。年率で5~7%の利益を資本市場から得られるというのがインデックス。自分が選んだ銘柄・タイミングはマーケットよりもプラスが出るんだ、αが出るんだということなんですよ、個別株投資は。

    信託とかは平均的ですもんね?

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    平均は皆取れる。学ばなくてもいい。仕事を頑張って積み立てればいい。ほとんどの人はこれでOKです。

    なんですけど、個別を選んで「平均では足らん。俺はもっと欲しい!」というのであれば、平均の人よりも何かが秀でていなければいけないですよねと。他の人よりも賢くならなければいけないので、書籍を読んでメモを取って戦略を立てる。

    そして、その戦略を立てた後に結局はPDCAが必要です。Plan・Do・Check・Actionでやってみて改善していく。

    ❸実践してリスクを取る

    PDCAを如何に回すかという話です。リスクを取ることでケツに火が付き、やらないかんということになるんですよ。

    リスクを取るとはどういうことを指しますか?

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    絶対に真似してほしくはないのですが、資産の8~9割を1つの銘柄とかに投資する集中投資。リスクは極めて高いと言われる方法ですね。

    ハラハラしません?

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    不安でたまらないですよ。だから調べるんです。下がると不安になるんです。リサーチや自分の分析に瑕疵があったのではないかと思うんですよ。マーケットは自分と違う答えを持っているかもしれない。

    でも今言っているのは集中投資をやれという話では全くなくて、手当てするために人は必死に頑張るんだということを言っているだけです。

    トマトとかって甘くするためにはどうしたらいいか知っていますか?

    ストレスを与えるとか?

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    そう、まさに!敢えて水を少ししか与えないでいるとめちゃくちゃ甘いトマトができて、水でびちゃびちゃにしちゃうとぐちゃぐちゃのトマト。これと近いと思っていて、適度なリスク・ストレスの取り方で人は成長する。リスクを取りながらPDCAを高速で回す。

    こういうことをやる覚悟がない人はインデックスで積み立てた方がいい!

    非常にわかりやすい3ステップですね。実践するにも本気にならないといけない。

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    やってみてダメだったらやめちゃえばいいと思っているので。

    株とか投資のいいところって、「始めやすい・やめやすい・儲けやすい」だと思っていて。

    始めてみて合わない人っているんですよ。過半数以上は合わないので。でも始めてみないと合う・合わないってわからない。ただ合う人にとってはめちゃくちゃパラダイス(笑)

    まずは始めてみることが大事ですね!

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    投資スタイル

    井村さんの投資スタイルについて教えていただけますか?

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    グロースをやる、バリューをやる、ロングで入る、ショートで入るなど色々あると思うんですけど、自分の根底で考えていることは、絶対に到達できないんですけど「1番上がる銘柄に1番ロットを入れたい」

    1年に1番上がる銘柄はいくつありますか?

    もちろん1銘柄ですよね?

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    ですよね?その1番上がった銘柄に1番ロットをあげたら、1番利益が出たことになりませんか?決して到達はできないんですけど、自分はそこを目指している。

    No.1銘柄を巡り当てたい?

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    巡り当てたいし、そこに対して100株なんてちんけな話ではなく、大ロットで勝負したい
    マーケットを上回る利益を超過利益、αと言いますが、このαの極大化・最大化を目指して投資をしています。

    かなり独特ですね。

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    これは自分の思想ですね。フィロソフィーみたいなものが今お話ししたもので、これを体系化した運用方針がありまして。3つの運用方針というのがあります。

    井村流!3つの運用方針

    ❶半額を買う

    自分はほとんど手数を打たないんですね。トレーディングができない自覚があるのでほとんど打たない。売買をほぼしない。1点を突くようにこれだと思ったものを買ってそれを伸ばしていく。

    これだと思う条件が何かというと、「2倍取れると思う銘柄」。これって攻めているように聞こえるじゃないですか。2倍も取りに行こうとしているのかと。ちょっと違うんですよ。逆に今の時点で半額に見えているということなんです。

    それが何かというと、自分的にリスクが極めて低いと思っているもの。マーケットのフェアバリューで100億ついていなければいけないのが、時価50億で置いてあると。それが25億になんてなるわけがないだろうという風に、100億に回帰していくようなストーリーを自分でたてて投資をしにいく。

    そもそもリスクが低いものを探していて手数をほとんど打たないので、年間で投資をする銘柄は両手で収まる数しか手掛けません。

    この後の運用方針で出てくる少しリスクの高い買い方もやるので、投資対象でリスクヘッジをしているという意味合いもありますね。

    買う銘柄を見つけてから、決める時の最後のトリガーはなんですか?

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    ケースバイケースなんですが、大枠で囲っちゃうと「見つけた時」。
    その時に自分でαを計算するんですよ。ほとんどそういうチャンスはないんです。
    100億のはずなのに50億で落ちていることはほとんどないので、それを日々探しています。

    自分のTwitterアカウントにも「α探してます」って入れてるんですけど、本当にいつも24時間αを探しています。常に半額になっているものを探していて、落ちていたらすぐ買う。
    スーパーでの買い物と全く同じで、半額になっている見切り品があったら買うって感じで(笑)それと一緒です。

    スーパーの見切り品は半額ってちゃんと書いてくれてますからね(笑)
    銘柄には書いていないので判断が難しいところですね。

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    ❷期間利益

    2つ目は時間軸の話です。2~3年先を見ましょう。

    銘柄が数年後どうなるかをイメージするということですね?

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    そうですね。そこをいつも考えています。「期間利益」という考え方をすごく大事にしていて、先程の倍を取るという話ですが、倍を取ったとしても10年かけて倍になったのでは意味がない。なぜならば、複利でいうと年利で7%を10年やると2倍になるんですよ。でも7%ってインデックスと同じ。だったら個別ではなくインデックス投資でいい。上手くいった例ではないんですよね。

    自分のイメージだと2~3年で2倍を取りたい。期間利益の最大化も意識して投資してますね。

    もう1つ参考になるかもしれないのが、個人投資家や他のヘッジファンドを含めて95%くらいの主体が短期売なんですよ。

    短期というのは1年未満ですか?

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    1年も持たない人が99%じゃないですか?短期売買はかなり込み合っていてレッドオーシャン化している。
    今は個人投資家の分析能力もめちゃくちゃ上がって来ています。「決算プレイ」という言葉があって、企業が出す四半期の決算の数字をピシャリと予想して当てに行く。サプライズがあれば株価が急騰するので、20%くらい瞬時にとれるんですよ。だから100万円入れておくと瞬時に120万になるんです。これを四半期ごとに繰り返していく。どういう銘柄が次にいい数字を出してくるかというのを予想して、取引のスケジュールを管理している。受注や資源確保の動向を読みながら、このくらいの数字を出すんじゃないかという予想をすごくレベル高くやっているんですよ。

    先回り買いというのも入ってきていて、良い数字が出ても売られるという悲しい結果にもなりがちだし、とにかく短期目線の人が多くなっているからそこがもう込み合っている。αが少なくなっている。であれば、2~3年の時間軸。普通の人はそっちの方がやりやすいはずなんですよ。そういう風に考えると、目先の数10%の揺れはあまり関係がなくて、もっと長い目線でやれるので心を揺らされることがない。それをおすすめしたいですね。

    個人投資家向けですね。

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    そうですね。実は兼業の人は絶対にそちらのほううがいいです。それで適切にαを見積もれるようになれば、少しずつ利益を出せるようになっていく。

    ❸集中投資

    3つ目はポートフォリオとか、どういう組み入れにするかの話に関わってくるのですが、αが多いと思ったものに集中的に投資をする。せっかく見つけたものはたくさん買った方が良いという考えですね。

    色々な銘柄に浮気をせずに。

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    でもこれって諸刃の剣というか、失敗したときは大きな傷を負うことになるので、❶で言った「半額に見えるもの」をしっかりと精査する必要がある。適切にαを見積もれるかというところに依存してくるので、基本的にはおすすめしないですし、分散した方が良いと思っているので皆さんは分散した方が絶対に良い。

    井村さんの投資ポリシーではそうであると。

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    自分は特殊な訓練を受けているのでそういう形でやっていますが(笑)普通は分散した方が良いに決まっている。

    人それぞれ様々な手法があるのですね。

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    時価総額は関係ない

    井村さんは100億くらいの銘柄でも買いますか?

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    買います買います。半額になっていれば時価総額とかは関係ないですね。

    今年は海運株というもので4億円くらい利益をあげたんですが、それが10億円に到達しました。海運とかああいうのって1兆円とかそういう世界観ですけど、株価でいうと1年で10倍に値上がりしたんですよ。そこにαがあると自分は見積もったので投資をしていた。時価総額は関係ないですね。

    どれぐらいの数をどれくらい買うか

    投資に回せるお金が100万円・500万円・1000万円の時にどういうポートフォリオを組んでいましたか?

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    自分の経験だとポートフォリオとかではないです。ずっと日本株オンリー、個別株オンリーでやってきたので。

    個別株をどれくらいずつで買っていたのか教えてください。

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    まず100ある資産の中でほぼ100が常に株式になっていました。その中で銘柄は3~5銘柄に分けてありました。

    ファンドとかだったら組み入れ銘柄で、1銘柄で10%を超えてはいけないみたいなルールがあるんですけど、あんまり自分はそこを考えていなくてαが1番多いと思うものに果敢に寄せていく。例えば5銘柄持っていて、1つの銘柄で資産の60%を占めているということもあります。

    明確に井村さんの中でルールにしているわけではない?

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    3つの段階でロットを入れていこうと決めています。打診で入れるロット。これが大体5%~10%くらい。サブとして保有する形で、打診で入れた株が調査の結果少し良いとわかったら追加で入れて10~20%にする。これはもっと入れてもいい、主力でいいとなったら50~90%のダイナミックな投資をする。

    利確と損切り

    利確と損切りのタイミングはどう判断していますか?

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    利確のタイミングはすごく難しくて、いま言語化するのであれば「理性で勝って熱狂で売る」。理性で買うとは、いついかなる時もマーケットは不確実であるしボラティリティが存在しているが、自分で弾いたフェアバリューが100億と見えていて、いま50億で置いてある。そして50億円が±20%くらいで揺れ動いている。でも自分で100億と弾いているなら、40億だろうが60億だろうが全部買いですよね?値動きで揺さぶって来ても、100億が見えているから理性で買う、買う、買う!それだけです。

    上手くいって100億円に到達した時にαを分解すると、「割安さ・成長性・モメンタム」になっている。理性の面で割安と成長は、数字で定量化がある程度できるので理性的に考えられるのですが、モメンタムはわからない。人がどこまで熱狂するかはわからないので、そこがすごく難しい。ここにおいては需給を見たりする。出来高を見たりして、ここくらいの出来高帯でかなりやっているから、仮に人々が熱狂して上に跳ね上がっていったとして、かなりモメンタムが入っていると感じて降りる準備をする。

    でもいつ降りるかっていうのはどこまで上がるかわからないので、見てて見ててポイントとなるような出来高帯を下に突き抜けるようなことが起きた時に一緒に売らなくてはいけない。

    どういう風なディールをやっているかによって、別にそこで降りなくてももうちょっと長期でやるのであればターゲットを上げることもあるんですよ。もともと100億だと思っていたものが200億までいけるなって思ったら、そこからさらに2倍引っ張ることもある。

    これは井村格言ですね(笑)
    良い表現「理性で勝って熱狂で売る」

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    そう理性的なんですよ。買う時はボラティリティ出てて皆ワーッとなるんですが、全然冷静。100億円が見えているから関係ない。

    100億円の見積もりが間違っているパターンがまさに損切です。
    100億だと思っていて40~60憶で動いている。別に100億だから関係ないってどんどん買っていったら、あるタイミングで100憶じゃないシナリオに気づく時がある。めちゃくちゃ青ざめます(笑)とんでもないロット買ってるんでやっべー…ってなるんですよ。

    その時は間違ってたのを認めて売っていく?

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    どこかでバイアスがかかるんですよ。調べれば調べるほど、自分の取引が上手くいくという側の情報だけを取得しようと思いがちで、そういうバイアスがかかってくるのでそこに注意しながら認めるところは認めなければならない

    2021年に1番損失を出した銘柄だと、8000万円くらい一撃で損失を出しましたね。最初に計算したものがあったんですけど、途中であれ?ってなっちゃって(笑)これやばいってなって損切りました。

    井村さんでもそんなに損失を出すことがあるなんて…。
    なるべくフラットに情報を取り入れて、冷静な判断をすることが大切ですね。

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