愛鷹氏に聞く、テンバガーの探し方とは?(後編)

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コラム記事

愛鷹氏に聞く、テンバガーの探し方とは?(後編)

  • 公開日:2022.10.21

    ※この記事は、2022/05/13に公開された、IRTV for YouTube内のコンテンツ【個人投資家研究所】動画の対談内容を記事に起こしたものです。

    テンバガーの見つけ方

    ❶商品・サービスの特徴

    まずどのようにテンバガー候補を見つけてくるのかというところを聞きたいです。

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    四半期ごとに出る決算を見て、通期の目標に対して確実に利益を積み上げている企業を探したいんですけど、テンバガーって狙って取れるものではないんですよね。

    でも会社のサービスだったり商品が使いたい、欲しいっていう需要がないと業績も伸びないので、息の長いテーマで増収増益を続ける企業から出ていることが多いっていう印象です。

    ❷業績・利益率に注目!

    狙ってるわけじゃなくても結果的にテンバガーになってるっていう。

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    そうですね、私の場合は一度買ったら基本的にはあんまり売らないスタンスです。
    なので、ひたすら好業績を続けてくれて、利益率の高いところであれば、若干景気が悪い状態とか売上がイマイチな伸びでも、利益だけは着実に確保できるようなとこだから安心して持っていられる。

    ❸配当にもポイントが!

    で、なおかつ配当を利回りが高いというよりも毎年増配してくれるような企業の方が望ましいです。
    そういったのを決算で数字を見ていいなと思って買うことが多いです。

    愛鷹流の情報収集とは

    決算とか見る他にさっき商品とか見たりとか長く持ち続けるためにいろいろ理由があると思うんですけども、
    例えば総会に行ったりとか自分の目で見るという経験とか結構しますか。

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    サラリーマンなので平日の昼間とかに開催される株主総会には行きにくいんですけど、平日でも夕方から開催とかの総会だと参加しやすいですね。

    ITソフトを開発するシステムインテグレーターという会社があるんですけど、そこは夕方から総会開始して、会社の業績説明、質問時間があって、その後にコロナ前までは懇親会を開いてくれていました。
    この時に立食パーティーみたいな形で役員の方達と食事を片手にお酒を飲んでお話しできるんです。

    さらに最後には社長がお手製チーズケーキを十何ホールも焼いてくれました。

    そんなにですか、おもてなしがすごい!

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    本当にお店で売ってるレベルで、おいしくいただいて、最後は社長にお礼を言って帰るっていうのがコロナ前まで数年間続いた毎年の私の年中行事でした。

    コロナも落ち着いてきたので、総会+懇親会というのを再開してくれる企業が増えてくれたらいいなって思っていますけど、総会もオンラインでっていうのがスタンダードになりつつあります。

    ホテルを借りるよりも経費が安くて会社としては負担が少ないので、導入する企業も出てくるかもしれないですけど、
    せっかくの機会ですから実際に株主と話をする場を再開してくれた方が一株主としては嬉しいですね。

    そういうふうに密な。

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    そうですね、せめてコミュニケーションを取れる場として。
    まあオンラインとかで事前質問という方法もあるのかもしれないですけど、やっぱりその場で社長の語り方とかその熱量とか、リアルだからこそ感じられるものがあると思うので、そういったリアルの総会を今後も続けてほしいなっていうのはあります。

    これ見ている企業の方でそういうリアルなコミュニケーションと増えてくれるといいですね。

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    ぜひ上場企業の社長さん、総会リアルで開催していただきたい!

    愛鷹氏の情報源

    普段の生活とかでは兼業でお忙しいと思うんですけど、どういうふうに時間を確保しているとかありますか。

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    私が最初投資を始めた頃の仕事の赴任地が割と田舎だったこともあって、家帰ったら決算でも見るかなーっていうので始めました。

    3、4年経った頃は家帰ったら決算見るのが習慣化していて、お風呂入ってご飯食べて時間が出来たらもうずーっと決算を見続けてました。

    おおー!

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    当初PERとかPBRとかも知らないですし、権利落ち後に株価が下がることすら知らずに始めたので、そういったのを調べていくとだんだん個人の株のブログを見るようになりました。

    そこでいろんな方が「決算を見て」とか「この銘柄についてこういうところに着目して自分は買ってる」みたいな、そういった記事を見るようになって知ったんです。

    なるほど!ブログですか。

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    でも結局株のブログに記事が上がってるって事はもうすでにそれに気づいて買ってる人がいるって事なのでどうしても一歩か半歩遅れてしまうんですよね。

    でも自分で決算を見に行けばむしろそういう人たちよりも先に良い銘柄にたどりつくことができるかもしれないと思って、なるべく時間がある限り多くの企業の決算に目を通すって形で一時期は一日に500社とか見てました。

    全部を見るわけではないですけど、ここはどんな会社なのかというのを見るために決算を読んでた時期はありました。
    そういうのが数年間続いたとは思います。

    決算だけじゃなくて適時開示も全部見るって感じですか。

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    基本は決算で、興味のある会社は決算説明資料とか中期経営計画も見たりはします。
    あとは優待を拡充するとか新設するとかそういった情報も一応見るようにはしてます。

    1社5秒!決算チェック方法とは?

    お仕事終わってから500社くらい見るって時も何時間くらいかかるものなんですか。

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    最初は何か一個一個の決算をすごい丁寧に見てたんですけど、そのうち数を多く見ようと思って見るようになってからはTDnetや株探とかでその日の決算を見ていきました。たとえば減収減益のところとかは減収減益だな、で閉じるんで5秒ぐらいはあれば終わります。

    大手とかで、前期まですごい好調だったのに減収減益の場合は少し理由のところ見たりします。でも1枚目のサマリー見たあとにその各セクターの定性的情報のところを多分30秒から1分ぐらい見たら、ああこういう理由でよくないんだなっていう。
    で、そこの業界のトップとか大手が不調ということは同業他社もあまり決算良くない可能性もあるなっていうのを少し頭の隅において読み進めるっていう形で、短ければ5秒10秒、長くても30秒から1分くらいで見終えます。

    決算で必ずチェックする箇所

    定性的情報で売上利益がそれぞれ減収減益だった理由がどういったところにあるのか、例えば主軸のサービスで売り上げが落ちて利益も落ちたとか、新サービスが伸びたことで利益が大きく稼げたとか。

    私の場合は営業利益しか見ないんですけど、一時的に利益計上されている部分を見てもしょうがないので、本業でちゃんと稼げてるかっていうところで決算は見るようにしてます。

    投資のモチベーション

    5秒10秒単位でどんどん見てるって訓練されてるって感じですね。

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    そうですよね。そういった感じでこうみていくと、500社ぐらいだったらまあ日付超えるか超えないかくらいのところで見切れてしまう。

    執念ていうか趣味どっちなんでしょう。

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    好きだからっていうのは大事だと思う。まあ何でもそうですけど好きだからこそ続けられるし、それだけ時間を費やしても苦にならないっていうことはあると思います。
    なので基本的に株式投資が好きで楽しいからっていうのは一番大きいかなとは。

    株式資金の回し方

    今の運用額と年間配当金ちょっといっぱい持たれていると思うのでなかなか利益を出すのは難しいと思うんですけど。

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    一時期3億迫った時もあったんですけど、そっからちょっとだいぶ落ちてきてますね。最近グロース系で個人投資家に人気なために上がっていたのが最高値から半分ぐらいに減っているのもいくつかあります。

    なので指数の下げよりも大きくドローダウンしているという形で、軟調ですけど配当金は三百あるかなぐらいだと思います。

    配当金をまた新しい株に入れるっていうそういうことを連続していくっていう。

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    基本的に福利効果を得るのが株式投資の醍醐味でもあると思うので、今のところそこで得た配当金は新しい銘柄何買おうかっていう形で買い付けの方に回すことがほとんどです。

    今の政権は日経平均下がり続けていると思うんですけど、愛鷹さんのこの手法っていうのはこういう相場でもずっと続けられていく予定ですか。

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    私の投資法がうまく軌道に乗ったのは、結局アベノミクス前に種まきを広くしたらテンバガーしたものが多いので、日銀総裁が黒田さんになってからの金融緩和に乗っかる形で資産が増えてきました。

    なので総裁が変わって方針が大きく変わると、世界的にいまインフレを抑えるために各国中央銀行が利上げの方向に傾いていて、さらに過去私が経験したことがないぐらいの円安に傾いてるっていう状況もあるので、さすがに低金利をずっと続けていくのはなかなか厳しい状況になってきているっていうこともあって。

    なるほど。

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    あと国内でも実際に食品とか一部家電とかでの値上げって今までなかったんですけど、全体的に値上げの方向に傾いてきています。
    あとは物流にかかる費用がコロナのせいもあって資源価格とか食品とかも先物どんどん上がってるぐらいなので、原材料が上がったらもう価格転嫁せざるを得なくて。

    どうなるんでしょうか…?

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    インフレを抑制するためには日本でも利上げを考えないといけないか、マイナス金利をやめるとかもうちょっと幅を持たせるとかっていうふうに舵を切ることになるかもしれません。

    そうなると日本株の場合は利上げで恩恵を受ける銘柄もあるとは思うんですけど、金利が安かったからこそ上がってきた銘柄も多数あると思うので、ちょっと厳しい相場に突入する可能性もゼロではないです。

    なかなか厳しい局面ですね

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    ただ経済は基本的に一時的に落ち込んでも成長すると思ってはいるので、中にはそういった逆境をチャンスにしてこう伸びていく会社もあると思うので、そういったところにベットしていくしかないかなと。

    状況は変わってもそれに対応しなきゃいけないのが投資家だと思うので、そうなったらなったで上がりそうな銘柄・持ってられそうな銘柄に資金を振り向けて集めていくしかないかなっていうふうに捉えています。

    コロナ後どういった方針に国が切り替わるか分からないですけど、インバウンドで恩恵を受けるような銘柄にもう一回投資をするでもいいし、その都度国としてどういった形で経済を成長させようとしているか、という方向に合わせて投資対象を変えていくしかないかなと考えています。

    投資法の学び方

    いままでそのテンバガーコレクターということで愛鷹さんを知って、全部テンバガーの見込みがあって投資しているのかなと思ったんですけど、本当に地道にコツコツというやり方をお伺いできて良かったです。

    Next ten Baggar
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    テンバガーっていうのをtwitter でつぶやくようになってから、ありがたい事にお話いただいて書籍を出させていただいたんです。
    私の投資方法が必ずしも真似してその通りうまくいくわけではなく、経済環境とか性格によってその方に合っている投資法があると思います。
    非常に著名な投資家の方々との共著になりますので、是非一度お手にとってご覧頂ければと思います。

    投資で一番大事なことは?

    これから始める人もいると思うんですけど全ての相場にいる個人投資家の方に一言!

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    メンタルをやられて、狼狽売りで売ったところがそこから10倍になったというのを経験していますので、まずは健康第一ですね。

    あとはあまり調子に乗るとこけてしまうので、常に謙虚に気持ちを切り替えてっていうところ。

    もう一つは決算をずっと毎日のように見てた時期もありましたけれども、研鑽を常に続けるということ。

    健康に謙虚に研鑽をって心がけていれば長く相場に立ち続けることができて、結局長く相場に立ち続けないと最終的に資産は増えていかないかなと思っているので、相場に立ち続けるためにも健康に気使って謙虚に研鑽を積み重ねるのが大事かなと思います。

    【IRTV個人投資家研究所】テンバガーの探し方!|Vol.10

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