株式投資になぜ失敗してしまうのか
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公開日:2022.08.01
株式投資投資をしてみたいけど、失敗するんじゃないの・・・?
今回は株式投資で失敗をしたくない方のために、
株式投資のよくある失敗例から、失敗しないために押さえておくポイントをご紹介します。よくある投資の失敗例
●よく考えずに銘柄を購入する
投資初心者の中にはよく考えずに投資を行ったものの、いわゆる「ビギナーズラック」で利益が出るケースもあるでしょう。しかし、その後も継続的に利益を出し続けていくことは難しいでしょう。
投資で継続的に利益を出すためには、投資の基本事項や根拠を持った銘柄選定が必要不可欠です。エビデンスに基づき、しっかりと未来を見据えた選定を心がけましょう。●目先の利益で投資をする
業績などを調べて「この企業は成長しそうだ」と考えて投資するのではなく、ただ配当金の高さや株主優待の内容だけで投資するのは控えましょう。
配当金が高かったり、自分好みの株主優待を受けられるたりすることは、一見非常に魅力的です。しかし、そういったことに気を取られて、投資した銘柄の株価が下落してしまっては元も子もありません。
また配当金や株主優待の内容は、業績に左右されることもあります。購入時には高配当、株主優待が充実していても、最悪の場合無くなってしまうこともあります。
配当や株主優待は、投資の付加価値です。株式投資の本質は、業績から推測して銘柄選定をしっかり行うことです。目先のわかりやすい利益だけを追いかけて、もったいない投資を行わないようにしましょう。●相場を見てタイミングで投資してしまう
実際に投資するにあたって、相場状況を見極めて売買をするのがスタンダードだと思われている方は多いかもしれません。しかし、相場のタイミングを見極めて結果を出し続けることは、たとえプロであっても容易ではありません。
例えば、相場がまだまだ上がるだろうと思って買った直後に、値が下がってしまう高値買い(高値掴み)は初心者がやってしまいがちな失敗例の一つです。
「自社株買い」や「M&A」など株価が上昇する要因は様々ですが、前日比で株価が1,000円以上急騰することもあります。株式は基本的に100株単位で購入するので、1日で10万円(1,000円×100株)の利益が出るかもしれないと期待して購入したものの、結果思ったほど株価が上昇せず、逆に値下がりしてしまうことで損失を抱えてしまうこともあります。
投資のプロでも難しいことを、初心者が行うのはリスクが高いです。投資初心者は、過度にタイミングを狙った投資は避けたほうがよいでしょう。●損切りをしない
損切りに踏み切れず大損してしまった、というのもよくある失敗例です。含み損がどんどん膨らんでいるのに株価上昇を信じて持ち続け、最終的には株価の下落に耐えきれず売却し大損するというケースです。売り時を逃して、含み損を抱えたままの「塩漬け株」にしてしまう人も少なくありません。
関連して、「ナンピン買い」をしてしまうのもよくある失敗です。ナンピン買いとは、保有している株が値下がりした時、平均購入単価を下げるために同じ銘柄を買い増しする方法です。しかし買い増しした後に、さらに株価が下がり続けてしまい大きな損失に繋がることがあります。
損切りをしていない状況というのは、無駄に損失が増え続けるだけではなく、「本来なら利益を出していたもしれない機会」を失っていることにほかなりません。最初の予想と異なる動きをして株価が下がったら、素早く損切りをすることが重要です。●他の人の意見や考えで取引する
最近ではSNSなどで有名な投資家が推奨した銘柄を購入し、値上がりを期待していたにもかかわらず株価は暴落、大損をしたという失敗もよくあります。
TwitterなどのSNSの有名アカウントや、新聞やテレビなどの評論家の意見を鵜呑みにして取引をするのは、初心者が犯しやすい間違いです。そのようにメディアに取り上げられて話題になった銘柄というのは、取り上げられた時点で多くの人が購入しています。
つまり、すでにその株価が値上がりしきった後であることがほとんどなのです。
また、「仕手株」を広めるための悪質な情報には注意が必要です。仕手株とは、集団の投資家によって意図的に株価が操作されている銘柄です。特定の銘柄を大量に買うことにより価格を吊り上げて情報を流し、個人投資家を誘いこんだ後、株を一気に売却して株価の暴落を引き起こします。特に値上がりする理由もないのに株価が急騰している銘柄は、仕手株の可能性があります。気になる銘柄があっても、必ず自分で値上がりしている理由を調べてから取引をするようにしましょう。
他人の意見や考えに左右されず、自分の判断で購入する銘柄を決めることが大切です。自分ではどう判断してよいか分からないという人は、まずは身近でよく知っている企業について、信用できるサイトや書籍などから調べてみましょう。企業や業界について興味を持つことで、今後成長が期待できる銘柄を見つけられるようになります。なぜ投資に失敗するのか
●投資に対する知識不足
一口に投資の知識といっても、利益を上げるためには様々な情報が必要です。銘柄に関する知識はもちろんのこと、マーケット全体の知識も必要不可欠です。
マーケット全体の知識には、株式相場の状況だけでなく、為替相場や原油などの商品相場、さらには経済全体についての知識も関わるので幅広い知識が必要です。
投資に関する知識において、これだけマスターすれば大丈夫!というような明確な規範はありません。もちろん投資を始める上で、最低限知っておくべき基礎知識のようなものはありますが、それだけではマーケットの変化に柔軟に対応することはできません。
投資で利益を上げ続けるためには、常に自分の持つ情報をアップデートし続ける必要があります。様々な情報から株価が動く要因を探して、自分なりの予想を立てて売買することが重要です。●感情に流される
「損したくない」という感情が強くなるあまり、正しい判断ができなくなり普段なら行わないような取引をしてしまうこともあるでしょう。感情をコントロールして、知識に基づいた冷静な取引をしましょう。
●資金管理をしない
投資で利益を得るためには、資金管理が必要不可欠です。たとえば、すぐに使う予定のある資金で「今は下がっているが今後高騰すると思われる銘柄」に投資をしたとしましょう。すると実際に株価が上昇する前、つまり株価が下がり続けている段階で、資金不足のためにその株式を解約しなければならない可能性があるのです。
また借金をして投資するのも避けましょう。借金による投資では、冷静な判断ができなくなる傾向があります。例えば、消費者金融などでお金を借りてしまうと、高い利息を支払わなければならなくなってしまいます。返済のことが頭から離れず、焦りもあって、冷静な判断がしづらくなります。
「失っても十分に生活ができる」ような余裕のある資金で投資を行うようにしましょう。株式投資で失敗しないためには
●収支結果や資産状況を管理する
「なぜ投資で失敗するのか」でも言及しましたが、投資を行う際は必ず余裕資金で行うようにしましょう。
まずは自分の余裕資金がどれくらいあるのかきちんと把握して、無理な投資をしないために投資の上限金額を決めることが大切です。株式取引は大きな利益を狙える金融商品ですが、同時に大きな損失を被る可能性も持っています。
資金管理を徹底し、長く安定した投資を行いましょう。●取引ルールを決める
感情に流されない冷静な取引をするためには、銘柄の選定、売買のタイミングについて「マイルール」を作る必要があります。特に利益確定のタイミング、損切のタイミングについてのルールは重要です。
人は利益を逃したくなく、かつ損失は確定させたくないものです。したがって感情に流されやすくなるこの2つのタイミングでのルールは絶対に守るようにしましょう。
損切りに関しては「ロスカット」と「自分の意思での損切」の2種類あります。ロスカットとは、あらかじめ設定されたラインまで証拠金が減ってしまうと強制的に決済される仕組みです。ロスカットがあると投資家の資金はある程度守られますが、何度もロスカットに引っかかってしまうと、あっという間に資金はなくなってしまいます。
「マイルール」を作る上での損切は、「自分の意思での損切」です。「〇%まで下がったら損切する」など損切りするラインを具体的に決めて、必ず守るようにしましょう。●長期保有を前提に投資する
誰しも、短期間で大きな利益を上げたいと思うでしょう。もちろん、相場状況によってはこれも可能ですが、投資で利益を狙うのであれば、長期保有をした方が無難と言えるでしょう。
なぜなら、短期間で株価が想定外の方向に動くことはよくありますが、優良銘柄の多くは長期的に見ると上昇するケースが多いからです。
また、まとまった金額を一気に投資するだけでなく、毎月一定の金額を投資に回す積立投資という手法もあります。この積立投資は、投資初心者でも利益を出しやすい投資手法とされています。積立投資は自分でタイミングを見て投資するのではなく、毎月一定のタイミングで同じ金額を購入することで、価格が低い時には購入量が多く、価格が高い時には購入量が少なくなり、平均購入単価を抑えることが期待できます。●分散投資でリスクを抑える
長期投資に加えて、投資の基本は様々な資産に分散して投資を行う分散投資です。値動きの違う様々な銘柄に資金を分散して投資すれば、大きな損失を防げる可能性が高まります。
また、「単元未満株」で少額投資を始めるのもよいでしょう。東証に上場する株の全ては、100株単位で購入することで統一されていますが、単元未満株は1株から購入できます。株数に応じた配当金も受け取ることができます。
単元未満株は「SBI証券」の「S株」、「マネックス証券」の「ワン株」、「LINE証券」の「いちかぶ」などで投資することができます。まとめ
現在大きく利益をあげている投資家の中には、過去に何度も大きな失敗を経験した投資家もいます。彼らが口をそろえて言うのは「よく勉強せず目先の利益だけを求めてしまったから」。
株式投資を始める方は、好奇心旺盛な方が多いでしょう。しかし、猪突猛進に始めてしまうと大きな失敗を食らい、二度と相場に戻らない、という結末になってしまいます。
株式投資をするにあたって大事なことの一つとしては、「相場に居続けること」。
初めのうちは張り切りすぎずに、リスクをできるだけ回避して続けることを意識しながら株式投資に取り組んでみましょう。