株式会社メンタルヘルステクノロジーズ( 東証グロース:9218)

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  • 圧倒的な価格優位性、優れた機能性で産業保健に変化をもたらす「産業医クラウド」が急成長

    産業医の紹介を軸に、企業組織の安定、組織で働く人たちの健康を担保する、そんなクラウドサービス「産業医クラウド」を提供する企業として2022年3月に上場した株式会社メンタルヘルステクノロジーズ。創業は2011年、現在の主力サービス「産業医クラウド」の事業開始は2016年だ。

    「産業医」という事業領域に着眼したのは、2015年ごろの個人的ないくつかの気づきがきっかけだった、と刀禰氏は語る。職場で「精神疾患にかかり膨大な治療薬との数年に及ぶ長い治療が始まってしまった」仲間がいたこと、「企業がこれまで採用にかけていたお金を福利厚生の充実に回していく」といった動きが加速しそうだという読み 、「産業医に興味があるけど勤務する機会がない」という身近な医師の声、などが次第に1つにつながったそうだ。

    少子高齢化で現役世代の相対的な価値は高まるが、メンタルヘルスの問題を抱える患者数は増え続けている。今の医療の在り方は「患ってしまった人を治すことが中心」だが、今後は「心身の健康問題を抱えない、患わないようにする予防のサービス」が必要だろう、産業保健の領域で実現していく必要があるだろうと、刀禰氏は考えた。

    従来は産業医と契約するのみの形式的な運用にとどまっていた領域に 、同社が構築してきた「熱意と能力のある医師との限定的な濃いお付き合い」とITを融合させ、顧客企業が効果を実感できる課題解決型の新しいサービスで、企業の産業保健・メンタルヘルス対策に変化をもたらしている。

    そんな同社のテンバガー戦略を、代表取締役社長の刀禰真之介氏に聞いた。

    事業内容:メンタルヘルスソリューション事業、メディカルキャリア支援事業、デジタルマーケティング事業を運営

    <メンタルヘルスソリューション事業>

    100%出資の子会社、株式会社Avenirが担う。同社グループ売上高の78%を占める主力事業。「産業医クラウド」で産業医、保健師/看護師、健康管理スタッフによる役務提供をオンライン型・オフライン型の双方で実施する。加えて、ELPIS(エルピス)というサービスで「ストレスチェック」、「専門医へのメール相談」、「ハラスメントホットライン」などの関連する12サービスもラインナップする。企業の規模や、労働環境、現状に合わせて柔軟にサービスを取捨選択できる仕組みだ。

    <メディカルキャリア支援事業>

    同じく株式会社Avenirで地方への医師紹介を中心に展開。同社グループ売上高の13%を占める。

    <デジタルマーケティング事業>

    創業時から医師会や医学会向けのアプリケーション開発などを行い、今後も社内やグループ企業のデジタルマーケティングを担う。同社グループ売上高の9%を占める。

    業績動向:Jカーブは堀り終わっている

    2021年12月期に売上高1,453百万円、営業利益138百万円、当期純利益161百万円で黒字化。2020年12月期までは、売上高947百万円、営業損失145百万円、当期純損失149百万円と赤字だった。なお、2022年12月期の会社予想は売上高2,027百万円(前期比+39.5%)、営業利益347百万円(同+151.4%)、当期利益256百万円(同+59.0%)と大幅な増収増益を見込む。

    検討中の新規事業やM&Aを除いたオーガニック成長で、もう2、3年は現在の成長トレンドを維持していくだろうと刀禰氏は語る。

    事業戦略: 顧客企業の課題解決を実現する「産業医クラウド」は必要とされるサービス。現役世代のメンタルヘルス向上に貢献する

    主力サービスの「産業医クラウド」は、2022年1月時点の導入実績1,100社、10,000事業所以上。2021年12月期時点で、同社がENT:Enterpriseと定義する従業員1,000名以上かつ月額20万円以上の契約がある先は96社に至り、事業開始から約5年で急成長してきたことが伺える。

    2021年12月末時点で登録医師数1,549人以上を抱え、稼働医340人の実績を有す。この導入実績が「産業医クラウド」の必要性、実力を示している。

    「産業医」は労働安全衛生法で規定されており、一定規模以上の企業において、多くの場合は人事の管掌で何かしらの制度が存在する。しかし実際の運用は、形式的な運用にとどまりがちで、本質的なメンタルヘルス対策がなされていなかった。従来の産業保健・メンタルヘルス対策の領域には改善の余地が存在した。

    「産業医クラウド」は、産業医の業務・メンタルヘルス・健康経営対策を「産業医のみが実施できる業務」とそうでない業務に切り分け、産業医以外が担うことのできる業務を産業保健スタッフや、クラウドサービスに置き換えることを実現した。このことが2つの大きな変化をもたらした。まず企業の負担するコストの大幅な削減、そして産業医本来の役割を果たしていくことに高い意欲をもつ医師の安定供給だ。

    産業医クラウドを導入すると、それぞれの専門家が自身の役割に集中でき、一部の事務負担はITシステムに置き換わり、全体のコストが適正な価格に収斂する。ある導入先では50%以上の費用削減に成功した。

    産業医の事務負担が削減されることは、顧客企業のコストメリットだけでなく、産業医を引き受ける医師にとっても、本来の役割「組織の安定、組織で働く人たちの健康を担保すること」に集中できることを意味する。その結果、産業医という業務に熱意を持つ医師が集まる、といった好循環も生まれている。

    登録医師への学習機会の提供による質の担保だけでなく、紹介中の医師に対する定期的な評価も行う。現役世代の健康を守ることに高い意欲を持つ医師には活躍の場が提供され、顧客企業では産業医の活躍による組織改善を感じることができるようになる。

    このように、「産業医クラウド」は、価格優位性と優れた機能性を兼ね備えたサービスで、「現役世代が心身の健康問題で不幸に陥らないようにする」ための好循環を産業保健の領域にもたらすサービスだ。

    顧客企業の課題解決にコミットすることを掲げ、最小限のラインナップから開始できる設計となっており、担当医師の交代も無料で受ける。すべてのサービスをオンラインで完結させることが可能なため、多様な働き方を認める企業でも導入しやすい。

    また、ELPISでは導入企業の従業員が抱える問題を、職場の問題にとどまらず幅広い専門医によってサポートを実現する「専門医へのメール相談」などもラインナップする。現役世代の心身の健康問題を未然に予防できるような、総合アプローチが可能な体制だ。少子高齢化で現役世代の相対的な価値は高まるが、メンタルヘルスの問題を抱える患者数は増え続けている。

    産業保健の領域で現役世代が心身の健康問題を抱えない、患わないようにするサービスとして、「産業医クラウド」の貢献が期待される。競合サービスが存在しないため、社会的な必要性の高まりを背景に、同社サービスは今後も普及拡大していくだろう。

    成長可能性:エンタープライズ企業を中心に契約者数を増やすと同時に、クロスセル/アップセルで多様なニーズに応える

    現在積極的なアウトバンドマーケティングを行っていないが、インバウンドマーケティングのみで月間100件以上の問い合わせがあるという。そのうち8割以上(2021年実績)は「産業医を替えたい」という内容で、形式運用から課題解決できる産業医のニーズが高まっている。

    まずはコストメリットをきっかけに「産業医クラウド」の使用が開始し、次第に顧客企業から「何が課題かわからないが、現状を変える必要を感じている。課題の整理からお願いしたい。」という声がかかり、関係が深まっていくことが多いという。それらの悩みに対して、コンサル機能を発揮できる経験豊富な医師も紹介可能だ。

    このように顧客企業との関係が徐々に深まることは、契約単価の上昇に現れている。2019年12月期には1社あたり400千円台だったが、2021年12月期は500千円台まで引きあがっている。顧客ニーズに多方面から答えられるようになることでクロスセル/アップセルが進み、活用されるサービスが“面“へと広がる。

    今後は日本に約3,400社あるエンタープライズの顧客を中心に開拓を進める意向だ。その際、大企業の事情や課題を解決へ導けるコンサルティング部隊が必要となる。この点について刀禰氏は自信をのぞかせた。「案件をクロージングさせることが可能な、コンサルティング経験を有す優秀な若手が既に当社には揃っています。そういったスキルを持つ人たちに、もっと魅力を感じてもらえる会社になることも、上場の狙いです。」

    新型コロナウイルスの影響について、「メンタルヘルス問題が社会的に可視化」されたことは追い風ではあったが直近2期間は「企業の意思決定スピードが落ちたこと」は逆風だったという。この点は引き続きリスク要因だと刀禰氏は語るが、既にJカーブは堀り終わっており、今後大きなシステム投資や、売上高の伸びを上回る人員拡充は予定されていない。

    意外にも「マンガ好き」とおっしゃる刀禰氏は、上場までとこれからをこう語る。「ようやくグランドラインが始まった。これからは海外に持っていけるような事業を開発して、アジアを代表するヘルスケアテックになろうと真剣に考えています」と笑顔で語ってくれた。

    Coverage:2022年4月21日

    時価総額:83億3百万円

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  • IRニュース

  • 会社情報

    社名
    株式会社メンタルヘルステクノロジーズ Mental Health Technologies Co.Ltd.
    本社
    東京都港区赤坂3-16-11 東海赤坂ビル4階
    電話番号
    03-6277-6595
    代表者
    刀禰 真之介
    設立
    2011年3月8日
    資本金
    529,219千円(2022年5月20日時点)

    事業内容

    メンタルヘルスソリューションサービス/デジタルマーケティング事業/医師キャリア支援サービス(子会社)/産業医クラウド事業(子会社)


    役員

    代表取締役社長 刀禰 真之介
    取締役     山田 真弘
    取締役     松本 裕介
    社外取締役   浅川 秀治
    社外取締役   小原 毅也
    常勤監査役   中村 幸雄
    非常勤監査役  高橋 勝
    非常勤監査役  森 理俊

    代表プロフィール

    刀禰 真之介のプロフィール画像

    刀禰 真之介(とね しんのすけ)

    デロイトトーマツコンサルティング株式会社(現アビームコンサルティング)、UFJつばさ証券(現三菱UFJモルガン・スタンレー証券)株式会社、株式会社環境エネルギー投資などを経て、株式会社Miew(現メンタルヘルステクノロジーズ)を設立し、代表取締役社長に就任。その後、同社の100%子会社としてAvenirを発足し、代表取締役社長就任。