株式会社フレアス( マザーズ:7062)

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  • 療養から看取りまで幅広く支援
    在宅療養シフトのトレンドを捉える

    主に、在宅療養者に向けた訪問マッサージサービスを、直営店やフランチャイズ加盟店によって提供している株式会社フレアス。

    個人経営の施術所が多くを占める業界にあって、法人として組織的に運営し、人材育成体制を確立。組織化したこと、信頼と実績を積み重ねたことによりフランチャイズ加盟店を獲得、ネットワークを広げて事業規模を拡大し、業界唯一の上場企業となった。

    これを強みに、大手介護施設などと提携し、事業基盤を広げている。 今後は、看護小規模多機能型居宅介護に進出し、さらなる市場拡大を図る。そんな同社のten-Bagger戦略を、代表取締役社長CEOの澤登拓氏に聞いた。

    ■事業内容:訪問マッサージの直営事業およびフランチャイズ事業展開

    <マッサージ直営事業>
    高齢者のご自宅に、あん摩マッサージ指圧師の国家資格を保有している社員が訪問し、医師の指示・同意に基づいてマッサージを行う。医業類似行為として、医療保険が適用される(後期高齢者であれば本人負担約1割)。

    利用者の多くは、脳梗塞による半身麻痺や筋肉の痙縮などにより、一人で寝返りを打つ、着替える、トイレに行くといった日常生活が困難な状態にある。こうした筋肉や関節の状態をマッサージによって緩和し、可動域を広げたり寝返りを打てるようにしたり、ベッドサイドのポータブルトイレを使えるようにして紙おむつから脱却するといったQOLの向上を支援する。

    マッサージ直営事業は、2021年10月末現在で85拠点を展開。

    <マッサージフランチャイズ事業>
    同社とのフランチャイズ(FC)契約に基づき、上記直営事業で行う医療保険適用のマッサージサービスのノウハウを提供されたFC加盟店が利用者にサービスを提供する。

    FC加盟店の新規開業に際しての開業希望エリアの市場調査をはじめ、事業運営に関わる法規制や取引慣行の説明といった開業支援や、開業後の様々な助言やFC加盟店のあん摩マッサージ指圧師に対する施術研修などを継続的に提供。

    マッサージフランチャイズ事業は、2021年10月末現在で250拠点を展開しているが、2024年3月末の時点で、全国に382拠点を予定している。

    <その他事業>
    利用者の自宅や高齢者施設などへ看護師や理学療法士などが訪問しサービスを提供する訪問看護事業と、介護士が利用者の自宅に訪問し、食事や排せつ、入浴などの身体介護や掃除、洗濯、買い物、料理などの生活援助を行う訪問介護サービスを提供。

    訪問看護・訪問介護事業は、2021年10月末現在で9拠点を展開。

    ■業績動向:2022年3月期はコロナ禍の影響から脱却

    2021年3月期の売上の減少は、新型コロナウィルス感染拡大により、サービス提供先である高齢者施設や居宅に訪問できなくなった影響による。

    なお、2022年3月期は、売上42億6,700万円(昨対比116.2%)、経常利益2億1,100万円(昨対比205.5%)の回復を予測している。

    ■事業戦略:業界初の施術レベルの“見える化”と株式上場

    あん摩マッサージ指圧師資格を有しての訪問マッサージを提供している事業者の多くは、個人経営の施術所。店舗での施術が基本であり、空き時間に往診に応じるといったスタンスのところが多い。そのサービスレベルにはバラつきがあるのが現状だ。

    「国家資格とはいえ、あん摩マッサージ指圧師の資格試験は学科のみで、実技試験はありません。しかも、資格取得後の更新もないのです。この資格取得を目指す者は基本的に専門学校に通いますが、その実技レベルは玉石混交です。

    また、この業界の施術ノウハウは個人経営の施術所における徒弟制的な伝承が大半であり、組織だった施術技術の指導が行われていない実態があるのです。つまり、業界としてサービス品質をチェックし維持向上する仕組みが整っているとは言えません」と澤登氏は指摘する。

    これに対し、同社はあん摩マッサージ指圧師を正社員として雇用し各直営店に配属。直営店には営業担当者を置くとともに、全体の管理を行うバックオフィス部門を設けて分業体制を確立している。

    あん摩マッサージ指圧師に対する施術レベルの維持向上においては、新入社員100時間、初任者75時間、ベテラン社員60時間の研修体系と、年1回の施術試験制度を構築・運営している。

    「施術レベルを“見える化”したのは当社が業界初と自負しています。」(澤登氏)

    このノウハウを持つ全国85拠点の直営店が、周辺のフランチャイズ加盟店の指導に当たれるメリットも大きい。

    「マッサージの品質の維持向上は、3か月ごとにスーパーバイザーが巡回して指導するといったことでは到底追い付かず、よりきめ細かく対応する必要があるからです」(澤登氏)

    こうした組織運営と業績の推移などが評価され、同社は2019年3月、訪問マッサージサービスにおける世界初の上場企業になった。今後、日本に続き世界各国で高齢化社会に突入していく中、この意義は大きいだろう。

    同社はまた、2020年6月に(株)レイスヘルスケアより訪問マッサージブランド「レイス治療院」のフランチャイズ事業をM&Aにより取得し、分割子会社の(株)オルテンシアハーモニーを100%子会社化した。同社は2021年3月末時点で全国に162拠点を展開。これにより、フレアスのマッサージフランチャイズ拠点は237店舗と、過去7年間で6.3倍に拡大している。

    「これまで信用やスケールメリットの点で接点がつくれなかった大手介護施設との提携が上場や拠点の拡大によって可能となり、利用者獲得のチャンスが一気に広がりました」と澤登氏は強調する。

    ■成長可能性:在宅看護・介護へのブルーオーシャン“看護小規模多機能型居宅介護施設”への進出

    同社の市場環境としては、サービス対象予備軍となる高齢者(65歳以上)人口は、2040年に3,920万人(*1)と予測されている。2020年度から108.3%の伸びだ。

    一方、医療保険対象の療養費の推移で見ると、マッサージ療養費は介護保険制度の導入が呼び水となって過去18年で約7倍(*2)に急成長している。要支援・要介護認定者も、同じく約2.5倍(*3)に拡大している。

    こうした介護対象人口の伸びに伴い増加の一途をたどる社会保障費の削減のため、国はコストのかかる医療施設や介護施設から在宅での看護・介護へのシフトを推進し、そのための「地域包括ケア」構想を打ち出している。

    また、最期を迎える場所として「自宅」を希望する人も多い。ところが、日本人の“死に場所”は、1950年頃は自宅が90%ほどを占めていたところから、2000年頃には20%程度にまで低下。変わって病院死が増えている。

    これには、在宅での終末期の介護や看取りは家族の物理的・心理的負担が大きいといった事情がある。しかし、団塊世代が介護対象となる2025年には、病床は30万床も不足すると予測されているのだ(*4)。こうしたことから、在宅での看取りが促進される情勢にある。

    また、在宅マッサージサービスの市場環境としては、2010年度の516億円から2018年度の733億円まで年平均4.5%伸びているものの、いまだ自宅でマッサージが医療保険適用で受けられることが高齢者やケアマネジャーに十分に認知されていない。

    このため、全国的に広く利用されている状況にはなく、「プラス200~300億円のポテンシャルがあると考えられる」と澤登氏は話す。

    こうした市場に対し、同社は既存の訪問マッサージサービスや訪問介護、訪問看護をそれぞれ伸ばすだけでなく、新たに「看護小規模多機能型居宅介護」(略して看多機)に進出する。

    看多機とは、看護と介護を一体的に提供するサービスで、「通所」「泊まり」「訪問看護」「訪問介護」を組み合わせて提供できる。これによって、退院直後の利用者の在宅生活へのスムーズな移行や、がん末期の病状不安定期における在宅生活の継続、家族へのケアによる負担軽減などを目指す。

    つまり、不足が予測されている看取り病床を補い、スムーズな在宅での看取りに導く使い勝手のいい切り札的な存在と言える。

    「これまでほぼ訪問マッサージの一本足でしたが、医療と介護を加えることでトータルケアが可能となり、一気にターゲットが広がります。

    医療が絡む看多機は難易度が高く、既存の介護施設はなかなか参入できないブルーオーシャンと言われていますが、当社は訪問看護の実績というくさびを打っているので、ここから広げていきます。当社には業界随一である約350か所もの営業拠点があるのも、大きな強みと自負しています」と澤登氏は意気込む。

    また、IR活動においても、月次売上速報値の開示やIRTVの活用、澤登氏によるTwitterアカウント開設といったチャネルで力を入れ、広く投資を募る構えだ。

    *1 内閣府「高齢者の推移と将来推計、2020」
    *2 厚生労働省保健局医療課/調査課
    *3 厚生労働省介護保険事業状況報告
    *4 厚生労働省「平成29年6月30日第11回医療計画の見直し等に関する検討会」資料

    Coverage:2021年12月10日

    時価総額:21億79百万円

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  • 会社情報

    社名
    株式会社フレアス Fureasu Co. Ltd.
    本社
    〒151-0061
    東京都渋谷区初台二丁目5番8号(西新宿豊国ビル2F)
    電話番号
    03-6632-9210
    代表者
    澤登 拓
    設立
    2002年4月
    資本金
    2億9039万4000円

    事業内容

    1.マッサージ事業
    2.マッサージフランチャイズ事業
    3.その他の事業


    役員

    代表取締役社長CEO  澤登 拓
    取締役副社長COO   関根 竜哉
    社外取締役      千葉 大介
    社外常勤監査役    赤池 雅司
    監査役        奈良 香澄
    社外監査役      日浦 正貴
    社外監査役      古賀 望

    代表プロフィール

    澤登 拓のプロフィール画像

    澤登 拓(さわのぼり たく)

    1999年、有限会社東洋医学会館入社。2000年、株式会社アメニティサービス入社。2000年、ふれあい在宅マッサージ開業。2002年、有限会社ふれあい在宅マッサージ(現株式会社フレアス)設立代表取締役社長。2005年、株式会社ふれあい在宅マッサージ(現同社)組織変更代表取締役社長(現任)。2020年、株式会社オルテンシアハーモニー代表取締役社長(現任)。