識学( 東証GRT:7049)
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公開日:2021.06.03
組織の生産性を高める「識学」理論を広大な成長ポテンシャル市場に広める
思考の癖に紐づく誤解や錯覚の発生要因を特定し、これを発生させないためのマネジメント手法を体系化させた組織運営理論の「意識構造学」。
株式会社識学はこの理論を活用し、いかなる組織においても生産性を向上させるコンサルティングや研修サービスを提供している。
創業4年弱の2019年2月には早くも東証マザーズに上場し、創業から6年強で約2,200社に導入されるという順調な発展を続けている。
同社は、このほど中期経営計画を発表し、成長戦略を明確に掲げた。そんな同社のten-Bagger戦略を、代表取締役社長の安藤広大氏に聞いた。事業内容:「識学」による組織コンサルティング事業が主力
<組織コンサルティング事業>
「マネジメントコンサルティングサービス」と「プラットフォームサービス」を提供。「マネジメントコンサルティングサービス」は、「識学」を初めて導入する経営者や幹部クラスに対し、マンツーマンによるマスタートレーニングを行う。
そのほか、主に幹部や管理職クラスに対して行う集合形式のトレーニング「浸透パック」の提供や、評価制度の構築も支援。
「プラットフォームサービス」は、「識学」導入組織が「識学」による組織運営を継続的に支援するためのサービス。
講師などによる各種面談、定期開催のイベント参加、「識学クラウド」などのサービスで構成される。「識学クラウド」には、組織の状態を分析し、改善・成長しつづけるための「分析」や「学習」、「報告管理」、「評価」、「採用」の各種機能ツールが搭載されている。
さらに、オプションとして「識学」導入組織に「識学」的志向を持つ人材を紹介する「識学キャリア」も提供。
そのほか、同社がGP(無限責任組合員)となって出資を行い、組織コンサルティングなどによって成長を支援する「識学ファンド」や、経営者が自らM&Aを実際に行っていける能力を身に着けるための「M&Aトレーニング」も提供している。
<スポーツエンタテインメント事業>
プロバスケットボール(Bリーグ)の「福島ファイヤーボンズ」を擁する福島スポーツエンタテインメント(株)を連結子会社とし、地域スポーツ振興に取り組む。
<受託開発事業>
(株)シキラボを連結子会社として、「識学クラウド」の開発・保守や、グループ外からのシステム開発の受託を手がける。業績動向:直近2年間は130%程度の成長
「社員が思ったように成長しない」「目標に対して“できない理由”ばかりを並べ立てる社員がいる」「自発的に行動しようとしない」「優秀な人財が離職する」。
こうした組織の問題に頭を悩ませる経営者は数多い。識学は、こうした問題の発生要因を、経営者や社員が持っている“誤解・錯覚”にあると捉える。
例えば「モチベーション」。社員のモチベーションを高めようと経営者や管理職は必死になるが、社員には「給料を上げてくれるからモチベーションが高まり、頑張れる」という“誤解・錯覚”が生まれかねない。
しかし、会社はまず顧客にサービスを提供することで収益を獲得し、そこから給料が支払われるものだ。社員がこの順番を“誤解・錯覚”すると、先に“高い給料”が必要という意識構造になる。
また、多くの日本企業は、求心力を高めるべく家族的な風土を築こうと、社内の親睦を深める目的で飲み会が行われる。
しかし、これによって上司と部下の関係が親密になると、業務において上司は「厳しくすると雰囲気が悪くなる」、部下は「これぐらいのことでは注意されないだろう」といった“誤解・錯覚”をしかねない。
さらに言えば、人事考課において定性的なプロセス評価を導入する企業は多いが、その評価が上司と部下の関係性に左右される可能性が高まる。
同社は、こうした“誤解・錯覚”が組織の生産性を落とす大きな要因と捉え、これを発生させない組織運営ノウハウを企業などに提供している。
「日本社会では非主流の独自理論であり、創業当初は全く知名度がない状態でのスタートでした。そこで、知人の会社から導入してもらい、成果を上げ、その成果をもって別の会社に紹介してもらうという地道な活動で徐々に広げていきました」と安藤氏は話す。
導入企業が増えれば増えるほど、口コミネットワークも広まるという構造を活用している。2期目からはWebマーケティングにも着手したり、3年目には書籍を出版するなどして認知度の向上に努めてきた。
そして、3年目の最後の株式上場で知名度を高めて講師の順調な採用に繋げ、講師数の増加に応じた売上高の逓増に繋げている。
さらに、2020年4月に福島スポーツエンタテインメントを子会社化し、「福島ファイヤーボンズ」によるPR効果の発出も図っている。
シキラボの子会社化は、「識学クラウド」の開発スピードを速めることに主眼が置かれているが、「識学」とは無関係のゲーム開発にも強みを持ち、グループとしての収入軸の多角化や、「識学」によるエンジニア集団のパフォーマンス向上実績づくりの狙いもある。成長可能性:中期経営計画で3年後に売上高を約3倍に
「まだ導入企業数は2,200社程度であり、市場サイズを意識する段階ではない」と安藤氏は言う。
同社サービスの主要な対象となる国内の中規模企業は約52万9,000社あり、平均受注単価を掛け合わせると、1兆1,000億円という市場サイズが導かれる。
同社のシェアはわずか0.2%という状況だ。さらに、「識学」の対象は企業のみならず教育機関やスポーツチームなどあらゆる組織に広がる。
成長ポテンシャルは極めて大きいと言える。そこで同社は、今後の成長戦略として2024年2月期までの3カ年における中期経営計画を発表し、「売上高60億円以上」「営業利益15億円以上」「ROE15%以上」との目標を掲げた。
「この達成で純利益が10億円を超え、時価総額は現在の5倍の500億円をクリアし、東証のプライム市場への市場変更基準を満たせると考えています」と安藤氏は意気込む。
21年度で22億円の売上高を3年で3倍近く伸ばす方策としては、組織コンサルティング事業の講師を21年2月期の54名から毎年20~25名程度増やすことで、自ずと達成できる道筋を描いている。
「採用や講師への育成ノウハウは『識学』を応用して確立しており、心配していない」と安藤氏。その成長を最も後押しするパワーとなるものは、「識学」の有用性を証明し続けることだ。
このため、同社ではあらゆる事業を“「識学」の有用性証明”という方向性でシナジーを狙っていく。
その方向性は大きく2つある。1つは、「識学」導入クライアントの成長の実現、および顧客満足度の向上だ。
このために、「マネジメントコンサルティングサービス」「プラットフォームサービス」「識学キャリア」を磨き続ける。
もう1つは、子会社や「識学ファンド」による投資先の「識学」全面活用による成果実績を高めることである。
「特に福島スポーツエンタテインメントは買収時に債務超過状態にあり、この建て直しが大きな有用性の証明になると考えています。『識学』は、バスケットボールチームの強化と、スポンサー獲得やファンづくりといったスタッフ業務の運営強化にも入れています」(安藤氏)
以上のような“現状の延長線上”の成長戦略で、中期経営計画達成時点での“five-Bagger”は実現できても、「“ten-Bagger”の実現には新たな事業戦略が必要になる」と安藤氏。
その方向性として、M&Aのほか、『識学』を独自コンテンツと捉えたIP(知的財産)活用戦略を視野に入れている。
現在は、講師数に比例して売り上げが伸びる事業構造にあるが、出版や検定、さらにはグローバル展開といったIP活用ビジネスにより二次関数的な成長曲線が描ける可能性が生まれる。
「3カ年計画を追っていく中で、次のチャンスを見出していきたいと考えています」と安藤氏は力を込める。Coverage:2021年6月3日
時価総額:122億60百万円
当記事は、有価証券への投資を勧誘することを目的としておらず、また何らかの保証・約束をするものではありません。
投資に関する決定は利用者様ご自身のご判断において行っていただきますようお願い申し上げます。IRTV
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IRニュース
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会社情報
- 社名
- 識学 SHIKIGAKU. Co., Ltd.
- 本社
- 〒141-0032 東京都品川区大崎2-9-3 大崎ウエストシティビル1階
- 電話番号
- 03-6821-7560
- 代表者
- 安藤 広大
- 設立
- 2015年3月5日
- 資本金
- 3億3,060万円
事業内容
「識学」を使った経営、組織コンサルティング
「識学」を使った従業員向け研修
「識学」をベースとしたwebサービスの開発、提供
「識学」関連書籍の出版
役員
代表取締役社長 安藤 広大
取締役副社長 梶山 啓介
取締役事業推進部長 池浦 良祐
取締役経営推進部長 佐々木 大祐
代表プロフィール
安藤 広大(あんどう こうだい)
1979年、大阪府生まれ。早稲田大学卒業後、NTTドコモ、ジェイコムホールディングスを経て、ジェイコム(現:ライク)にて取締役営業副本部長を歴任。2013年、「識学」という考え方に出会い独立。識学講師として、数々の企業の業績アップに貢献。2015年、識学を1日でも早く社会に広めるために、識学を設立。人と会社を成長させるマネジメント方法として、口コミで広がる。2019年、創業からわずか3年11カ月でマザーズ上場を果たす。