ディーエムソリューションズ( 東証STD:6549)

next10bagger HOME

社長インタビュー記事

ディーエムソリューションズ( 東証STD:6549)

  • Next ten-Bagger レポート
  • IR情報・業績ハイライト
  • 企業情報・代表プロフィール
  •   

    公開日:2022.01.21

    強力な既存事業のリソースを活用して伸び盛りのEC領域でサービスを展開、高度成長を図る

    ディーエムソリューションズ株式会社は、ダイレクトメール・宅配便の発送代行およびその周辺業務と、インターネットマーケティング業務全般を手がけるリーディングカンパニー。

    両事業のリソースを組み合わせ、「ECスターターパック」や「EC物流アウトソーシング」といった新サービスを開発し、目下成長著しいEC市場に進出している。

    こうしたリソースの組み合わせにより“限界利益率”の底上げを図り、更なる事業拡大を目指す同社のテンバガー戦略を、代表取締役社長の花矢卓司氏に聞いた。

    事業内容:シェアトップレベル発送代行業務とSEOに強いWebマーケティング業務

    <ダイレクトメール事業>
    ダイレクトメールや定期刊行物などの自社配送センター(関東7カ所、関西1カ所、東海1カ所)への納入後、封入・梱包、発送先ラベル出力・貼付作業の上、配送業者に渡す発送代行業務を手がけ、大手上場企業や有名大学を含む4,351社の顧客を擁して月間1,300万通以上を取り扱う国内トップレベルのシェアを有する。

    また、周辺業務としての印刷物のデザイン・印刷業務も手がける。さらに、いわゆるハガキや封書のダイレクトメールだけでなく、ECにおける商品の受注から発送代行までをワンストップで行うフルフィルメントサービスも提供している(年間約100万個)。
    トータルで売上高の79.5%(2021年3月期)を占める主力事業である。

    <デジタルマーケティング事業>
    SEO(Search Engine Optimization:検索エンジン最適化)コンサルティング、SEO施策を加味したオウンドメディアやランディングページ、およびバナーやエントリーフォーム最適化などのWebサイト制作、SEO効果を重視したコンテンツマーケティング、サイトに最適化した運用広告などのWebマーケティングサービス全般を手がける。

    <バーティカルメディア事業>
    「ウォーターサーバー比較サイト」「脱毛サロン比較サイト」といった自社メディアを運営し、ユーザーに有益な情報を提供するとともに、商品掲載事業者への送客を手がけるメディアサービスを手がける。現在、アクティブなメディアとしては10サイトほどを展開中。

    業績動向:売上高は108~116%増のペースで推移

    直近5年間の売上高は、91億2,900万円(2017年3月期)、104億3,800万円(2018年3月期)、121億7,800万円(2019年3月期)、134億3,300万円(2020年3月期)、146億2,100万円(2021年3月期)と、108~116%増のペースで推移。

    同じく営業利益は、2億6,300万円(2017年3月期)、1億7,100万円(2018年3月期)、2億9,100万円(2019年3月期)、2億1,200万円(2020年3月期)、6億5,900万円(2021年3月期)で推移。

    2021年3月期は、新型コロナウィルス感染拡大に伴うイベントやセール、セミナーなどの中止による告知物送付機会の減少といった厳しい事業環境の中、高収益のインターネット事業がコロナ渦による“巣ごもり需要”も捉えて大幅に伸び、前年比3倍超の増益となった。

    事業戦略:業界稀有な営業力と物流拠点の現場力、専門人材力の強化でトップレベルに

    同社を創業した花矢氏は、以前、インターネット広告会社で発送代行サービスに従事。

    そのなかで、強力な営業力と発送代行現場力を兼ね備えた事業者が不在であるとともに、後続参入者が極めて少ない発送代行業界の特性に着目、ビジネスチャンスを見出し、2004年9月、同社を設立。

    以来、本社および横浜、名古屋、大阪、福岡、仙台の営業拠点に発送代行業界では稀有な100名超の営業スタッフと国内8カ所の発送センターという営業体制を整備し、後発ながらトップレベルのシェアを獲得する地位を築いてきた。

    加えて、2021年10月に主要物流拠点である日野フルフィルメントメンターを約2倍に増床し、受託処理/出荷処理能力を大幅に向上。11月には名古屋メールセンターを新設し、中部・西日本エリアの顧客に対する受託処理/出荷処理能力も高めた。これらにより、キャパシティ不足による失注を防ぐことが期待できる。

    さらに、発送取扱通数の増加に伴いスケールメリットを活かし送料等のコストを削減し価格競争力を高め、更なるシェア拡大を続けている。

    目下の新型コロナウィルス禍において、感染拡大防止措置としてイベント等の中止が続きダイレクトメールによる告知物が激減する中、同社も件数として最大25%の減少(2020年5月)したものの、2021年下期には回復させている。

    インターネット事業は、創業の翌年にダイレクトメール事業の顧客からデジタルマーケティング業務の要請も受けて着手する。特にSEOコンサルティングサービスにおいては、専門書籍を執筆するほどのプロフェッショナルを採用し、研究体制を整備し強化を図った。

    この強みが2021年3月期の大幅な増益に繋がっている。

    成長可能性:既存サービスの組み合わせにより限界利益率を向上させるべく新サービスを投入

    ダイレクトメール事業においては、2020年度の市場規模は3,300億円程度であるが、業界全体としては請求書のデジタル化などにより微減が続いている。

    ところが、同社では請求書などデジタル化されやすい印刷物は取り扱っておらず、上述した営業体制や価格競争力により、売上高は増加傾向にある。

    バーティカルメディア事業は、新型コロナによる外出自粛や在宅勤務の広がりによる“巣ごもり需要”の高まりにより送客数が伸びている面もあり、“Withコロナ”で今後の伸びが期待できる。

    さらに、“巣ごもり需要”でECが急伸している。
    国内のクレジットカード決済金額に占めるECの比率は、2019年の20%弱から2020年10月には31%に拡大した(「三井住友カードと顧客時間による新型コロナウィルスによる消費行動の変化を集計・分析した調査」より)。

    日本の小売業に占めるEC化率は7%程度であり、中国の36%に比べれば発展の余地はかなり広がっているといえる。

    このEC領域においては、発送センターとWebサイト構築やデジタルマーケティングサービスというリソースを持つ同社だけで、ECの構築から運営までを一手に行うことが可能だ。

    そこで同社は、「ECスターターパック100」をリリースした。
    これは、ECサイトの構築(世界No.1の実績を誇るECサイト構築パッケージ「shopify」を利用)、Web広告(Googleショッピング広告やFacebook/Instagram広告など)による集客、商品保管・配送(60サイズを基準とする500個)までをパックにして、通常150万円ほど要する料金を100万円で提供するという、初めてEC事業に取り組む事業者向けのエントリーサービスだ。

    「これによって、新型コロナで集客力が落ちている小売業などのEC進出を支援したいと考えています」と花矢氏は話す。

    また、同社のリソースを活用する「EC物流アウトソーシング」サービスも投入。

    同社の熟練スタッフとWMS(Warehouse Management System:倉庫管理システム)による柔軟かつスピーディーな対応や、ハンディピック・カメラ検品・梱包検品による「三重チェック」というサービス品質、受注から出荷までの工程自動化、および安価な宅配便送料を盛り込んだフルフィルメント(FF)代行サービスである。

    そして、「EC物流アウトソーシング」において、商品1個当たりの宅配便送料や商品1個当たりの入庫、検品料等の料金体系を明確化し、お客様にとってより使いやすいパッケージ商品として、新たに「ウルロジ」をリリースした。ユーザーは商品を同社の倉庫に送り、受注業務だけを行えば、後の在庫管理から梱包、出荷まですべて同社が行う。

    「これらは、既存のECなどの受注後の煩雑なFF工程を当社が引き受けることで、コア業務である商品企画や販売戦略にパワーを割いていただくためのサービスです」(花矢氏)。

    さらに同社では、抗菌作用のあるハチミツ「マヌカハニー」のECによる仕入れ販売に続き、2021年2月にビアトランスポーツ株式会社を買収してアメリカンカジュアルウェアのEC販売事業にも参入した。

    加えて、自社で商品を企画・開発し販売する“D2C”(Direct to Consumer)事業にも乗り出す構えだ。

    「何が売れるかを精緻に分析しながら、扱い商品の幅を広げていきたいと考えています」(花矢氏)。

    一方、2021年3月、PR大手の株式会社ベクトルおよび同社子会社の株式会社Direct Techとの間で合弁会社のPerformance Technologies株式会社を設立。

    ベクトルグループのコミュニケーションコンサルティング力を生かした戦略ストーリー設計、Direct Tech社のD2C/ECプロデュースの実績、およびディーエムソリューションズのメディア運営力を掛け合わせ、クライアントの業績向上に寄与するパフォーマンスメディア事業やD2Cパフォーマンス事業を提供していく。

    同社のten-Baggerを目指す成長戦略について、花矢氏は次のように説明する。

    「発送量に応じて送料等の原価が発生するダイレクトメール事業に比べて、ネットがサービス主体であるデジタルマーケティング事業やバーティカルメディア事業の方が限界利益率が高く、当社においては、全体的な限界利益率の向上が今後の成長戦略のポイントだと考えています。

    そこで、ダイレクトメール事業においても、デジタルマーケティング事業のリソースと組み合わせる『ECスターターパック100』や『EC物流アウトソーシング』などのサービスを通じて、全体的な限界利益率の底上げを図り、更なる事業拡大を目指して参ります。」

    同社のten-Bagger戦略に注目したい。

    Coverage:2022年1月21日

    時価総額:25億32百万円





    当記事は、有価証券への投資を勧誘することを目的としておらず、また何らかの保証・約束をするものではありません。
    投資に関する決定は利用者様ご自身のご判断において行っていただきますようお願い申し上げます。

  • IRニュース

  • 会社情報

    社名
    ディーエムソリューションズ DM SOLUTIONS Co.,Ltd.
    本社
    〒180-0005 東京都武蔵野市御殿山1丁目1-3 クリスタルパークビル2F
    電話番号
    0422-57-3921
    代表者
    花矢 卓司
    設立
    2004年9月15日
    資本金
    3億2,524万円

    事業内容

    デジタルマーケティング事業部
    インターネット関連事業
    広告代理事業
    ダイレクトメール事業部
    発送代行関連事業
    マーケティング事業


    役員

    代表取締役社長 花矢 卓司
    取締役副社長 福村 寛敏
    取締役デジタルマーケティング事業部長 小林 剛司
    取締役ダイレクトメール事業部長 勝山 純一
    取締役バーティカルメディア事業部長 木村 和央
    取締役 松藤 悠
    常勤監査役 安田 仁裕
    監査役 齋藤 哲男
    監査役 高見 之雄

    代表プロフィール

    花矢 卓司のプロフィール画像

    花矢 卓司(はなや たくじ)

    1995年4月 株式会社日栄(現 株式会社日本保証)入社 1999年9月 株式会社セプテーニ入社 2004年9月 当社設立 代表取締役社長就任(現任)