日本PCサービス株式会社( 名証NXT:6025)
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公開日:2020.12.07
電気・ガス・水道に続く“第4のインフラ”ホームネットワークの修理・保証サービスを制する
日本PCサービス株式会社は、9社によるグループ体制で、パソコンやIoT機器、スマートフォン・タブレット、ゲーム機、デジタル家電などインターネットに接続する機器の修理および設定サービスなどを手がけている。
そういったホームネットワークは今や多くの家庭に導入されており、電気・ガス・水道に続く“第4 のインフラ”と位置付けられている。
そして、デジタル庁の創設や在宅ワークの普及、GIGAスクール構想、リモート診療の解禁など、ホームネットワークの進展を後押しする波は今後ますます高まる一方となる。同社グループは、まさにその波に乗っている形だ。
同グループのten-Bagger戦略を、代表取締役社長の家喜信行氏に聞いた。事業内容:パソコンやスマホなどのトラブルを解消
日本PCサービスグループは、次の9社からなる。
●日本PCサービス(株):パソコン・IoT機器の修理やトラブル解決、設定
●(株)スマホスピタル:スマートフォン・タブレット・ゲーム機の修理
●スマホステーション(株):スマートフォン・タブレットの修理
●リペアネットワーク(株):家電・電気工事
●(株)mom:中古PCの販売・買取
●(株)Axis:スマートフォン、タブレット、ゲーム機の修理部品調達
●日本PCマーケティング(株):アフターセールス
●(株)ネクストライン:電気通信事業
●NPO法人パソコン整備士協会:資格認定
<スマートライフサポート事業>
全国で365 日、パソコンやスマートフォン・タブレットおよびデジタル家電などのトラブル解決・設定を行う「フィールドサポート事業」、同グループ会員および委託契約企業の会員に対して、電話もしくは遠隔操作によりネットワーク機器の設定や、故障対応サービスを行う「会員サポートセンター事業」などで構成される。
主力サービスは、個人宅への駆けつけサポート。同社コールセンターに連絡を受けると、相談内容に応じて最寄りの拠点からスタッフが即日訪問し対応する。
ユーザーによる店舗への持込にも対応している。2020年8月末時点の出動拠点は全国に311カ所(直営14店舗、加盟店297拠点)、持込店舗は全国に104店舗(直営45店舗、FC59店舗)を展開。
有料訪問サポートのシェアで20.3%(2019年4月・楽天インサイト調査)と、2 位の7.8%を大きく離すダントツNo.1の地位にある。ブランドイメージ調査でも、顧客満足度No.1だ(2020年4月・日本マーケティングリサーチ機構調査)。
さらに、フィールドサポート事業のうち法人向けサービスビジネスソリューション事業の拡大に注力。 中小企業から大企業まで対応。 パソコン設定やトラブル対応をオフィスおよび在宅ワークを行う従業員宅へオンサイトで提供。
その他セキュリティ対策やネットワーク環境構築・クラウドサービスなどオフィスのITインフラ整備、法人向けスマートフォン修理 、端末処分時のデータ消去・中古PCや買取、キッティングサービスなど「オフィスまるごとサポート」を提供。業績動向:連結売上高は前年比137.6%と急伸
2020年8月期のグループ全体の売上高は54億600万円で、前年比137.6%と急伸。
グループ会社のM&Aの効果およびビジネスソリューション事業の拡大が奏功した形だ。
同じく営業利益は、1億2,000万円とほぼ倍増。マイナス4,400万円だった2017年度からわずか3年で大きく改善させた。事業戦略:他社がやらない個人向けサービスに強み
同グループの最大の強みは、ホームネットワーク全般の設定や修理・トラブル対応をワンストップで手がけられる国内唯一の存在というところにある。
他社はパソコン専門、スマートフォン専門、家電専門と分かれているのが実情だ。そして、個人向け有料訪問サポートのシェアがダントツ1位である事業基盤も強力だ。
同社はデルやレノボ・ジャパン、NEC パーソナルコンピューター、Dynabook、などのパソコンメーカーやビックカメラ、ヨドバシカメラなどの量販店、ソースネクストなどのソフトウェアベンダー、積水ハウスなどのハウスメーカー、NTT ぷららなどのプロバイダ、大阪ガスなどの生活関連サービス企業と提携し、サービス提供チャネルを広げている。
提携社数は2014年11月のセントレックス上場前の約400社から、2020年8月時点の約700社まで順調に増加している。
同グループが属する業界のビジネスモデルとしては、大きく法人向けと個人向け、それぞれにおけるコールセンター対応とオンサイト対応に分かれるが、圧倒的に法人向け・コールセンター対応が多い。
「個人向けは、顧客とのやり取りが面倒であったり、個人宅に上がってのサービスにトラブルが付きものと避ける傾向がある」と家喜氏は指摘する。
その点、同社は創業時より個人向けサービスに特化してシェアを広げ、ノウハウを蓄積してきた強みがある。成長可能性:猛烈なフォローウィンドと高収益の新・定額保証サービス
冒頭でふれたとおり、ホームネットワークの“第4のインフラ”化とデジタル社会の進展は、同グループにとっては猛烈なフォローウィンドといえる。そこで、領域をセグメントし、それぞれにおける成長戦略を描いている。
まず1つめは、基本の駆けつけや持込サポートの対応力の強化。今後、家事ロボットやスマート家電のさらなる進化・普及が予測される中、それらへの故障やトラブル対応技術へのキャッチアップに努める。
2つめは、法人向けビジネスソリューション事業の拡大だ。「法人内にも当社のサポートが必要な“穴”がたくさん開いている」と家喜氏。
他社はあくまでも“オフィス内”と対象としたサービスを手がけているが、同社の最大の強みは“個人宅”を対象とするサービスを手がけている点にある。
同グループは、他社がカバーできない、新型コロナウイルス感染拡大で一気に広がった在宅ワークをカバーし、企業に対して“丸ごと”のサービスを提供できるポジションにある。
同グループは教育機関や IT 機器関連の商社などから生徒1人1台のデバイスを支給する「GIGA スクール構想」によるパソコンやタブレット端末キッティング業務を受託しているが、キッティングだけでなく導入後のサポートも望める。
現在、首都圏の作業場では1万台のタブレットに学習用ソフトのインストール等を行うキッティング作業を進めているが、他の自治体など、こうした市場のさらなる獲得も期待できる。
そして、3 つめは、2020年8月からスタートさせた新・定額保証サービスの「e-おうち保証」である。これは、家の中のパソコンやスマートフォン、ゲーム機、ネット家電のトラブルを、月額980円からという料金で対処する保証を提供するものだ。
新サービスも加わり定額保証型サービスの加入者数は、 2019年8月時点の約1万 4,400名から1年間で約3万5,000名と倍増以上のペースで増えている。
「従来は、パソコンのトラブルが発生してから稼働するというマーケットであったところから、 パソコンを含むあらゆるネット家電の、トラブルが発生しない段階からというマーケットに劇的に拡大した形」と家喜氏。
この“お家まるごと戦略”は、家喜氏が同社を創業した時点での目的でもある。
さらに、「お家まるごとセキュリティ」も開発中である。「当初から“パソコン版JAF ”をやりたかったのです。その後パソコンだけでなく、対応すべきデバイスが増え、それらにトータルに対応すべく地力をつけながらM&Aを重ねてきました。
それが一段落し、いよいよ『 e おうち保証』を打ち出せる段階になりました」(家喜氏)
近年のパソコンや家電製品は、そうそう故障するものではない。定額保証サービスは極めて原価率が低く高収益の上、ストック型のサービスとなる。同社成長戦略の核心だ。Coverage:2020年12月7日
時価総額:23億54百万円
当記事は、有価証券への投資を勧誘することを目的としておらず、また何らかの保証・約束をするものではありません。
投資に関する決定は利用者様ご自身のご判断において行っていただきますようお願い申し上げます。IRTV
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IRニュース
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会社情報
- 社名
- 日本PCサービス株式会社 Japan PC Service Co., Ltd.
- 本社
- 〒564-0052 大阪府吹田市広芝町9-33 プレシデントビル
- 電話番号
- 06-6734-7722
- 代表者
- 家喜 信行
- 設立
- 2001年9月
- 資本金
- 3億6,005万円
事業内容
パソコン総合サービス
パソコントラブル解決サービス
パソコン修理・各種設定
ホームページ作成
パソコンレッスン
パソコン販売
パソコンならびにIT関連機器の専門技術部隊「ドクター・ホームネット」の運営
法人保守
役員
代表取締役社長 家喜 信行
常務取締役 稲田 恵
取締役 田邊 憲昭
取締役 濱﨑 慎一
取締役 兼久 裕史
取締役 藤井 悠
社外取締役 有田 真紀(公認会計士)
常勤監査役 金丸 英樹
社外監査役 香川 晋平(公認会計士)
社外監査役 北畑 瑞穂(弁護士)
代表プロフィール
家喜 信行(いえき のぶゆき)
1976年、兵庫県生まれ。桃山学院大学を卒業後、ITパッケージソフトの販売会社に就職。同社でトップセールスを約2年間続けた功績が認められ、若くして大阪営業所の所長になるなど営業の一線で活躍。2003年、有限会社マネージメントクリエイティブの代表取締役に就任するとともに株式会社に組織変更。2008年に日本PCサービス株式会社に改称。即日対応のパソコン総合サービスを全国展開し急成長を遂げた。現在は全国に約300の出動拠点を置き、大手企業との業務提携を推進。2014年にセントレックスに上場