サークレイス( 東証GRT:5029)

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サークレイス( 東証GRT:5029)

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    公開日:2023.08.29

    自社の事業構造転換を推進してきたプラットフォームサービス「Circlace®」がブレイク目前

    SalesforceやAnaplanのコンサルティング、ベンダートレーニングを中心に、戦略策定、構想策定からシステム実装までといったSIサービスを中心に提供し、収益基盤を確立してきた、サークレイス株式会社。

    その効率を飛躍的に高める自社製品「Circlace®」による事業構造の転換によって、労働集約型のビジネスから脱しつつある。

    また、「Circlace®」は顧客を基点にさらにその先の外部顧客へと販売が伸びておりブレイクの兆しが伺える。

    加えて、導入企業数国内シェアトップを誇る海外駐在員の労務管理を一元化する業務特化型クラウドサービス「AGAVE」の成長も貢献し、SaaS型のプラットフォームサービスで成長が加速しだしている。そんな同社のten-Bagger戦略を、代表取締役社長の佐藤潤氏に聞いた。

    事業内容:コンサルティング事業とプラットフォーム事業の双方で顧客のDXを支援

    創業時、Salesforce製品の日本展開にあたり、専門知識を有す技術者集団をつくりたい、との発想で事業を開始した。この事業は現在のコンサルティング事業へと形を変え、さらにプラットフォーム事業へと発展している。

    <コンサルティング事業>
    Salesforceプラットフォーム、Anaplanを利用したDXコンサルティングサービスやシステム開発サービス事業。今後も同社の成長を支える基盤事業だ。Salesforceプラットフォームを主力とし、マルチクラウドに対応しながら、アジャイル開発を用いて構想策定支援、大規模開発、標準機能導入支援などを提供し、顧客のDX実現やビジネス課題の解決を図っている。

    <プラットフォーム事業>
    DX、エデュケーション、カスタマーサクセスの3つのサービスを提供する。ブレイク寸前のDX事業を中心に中長期的に大きな成長を見込む事業だ。

    DX事業は、自社SaaSプロダクト「Circlace®」と「AGAVE」の外部顧客への開発・販売が中心だ。

    「Circlace®」は同社の社名にもなっている根幹の製品であり、成長戦略で後述する。「AGAVE」は海外駐在員の労務管理に必要な手続きを一元化し、海外人事におけるすべての課題が解決できる業務特化型クラウドサービスで、導入企業数の国内シェアトップを誇る。

    顧客であるBPO事業者のパソナや日本通運をパートナーとし、BPOライセンスを提供。その先にいる顧客の間でも利用が拡大している。

    エデュケーション事業は、ベンダー認定トレーニングや自社のオリジナルトレーニングを提供する。

    カスタマーサクセス事業は、Salesforceを中心とした外部プロダクトや自社プロダクトなどのクラウドサービスのノーコード開発や、運用・活用支援、人材内製化支援、・カスタマイズなどを提供する。

    同社導入システムに限らず、他社もしくは顧客が自社で導入したシステムに関する支援が9割を占める。

    事業内容:コンサルティング事業とプラットフォーム事業の双方で顧客のDXを支援

    IT人材の獲得競争が年々激化する厳しい環境の中でも、2012年設立以降10期連続の増収で、右肩上りに業容を拡大してきた。

    2023年3月期は売上高2,527百万円、営業利益87百万円であった。顧客都合による大型プロジェクトの凍結や一部のシステム開発プロジェクト納期遅延対応などを主因に前期比では営業減益だったが、今期2024年3月期は前々期の水準を上回る増益を見込む。

    2017年3月期の売上高974百万円、営業損失139百万円からトップラインは2倍以上、営業黒字を確保できる水準へと業容拡大している。

    事業戦略:労働集約型の事業構造からの脱却を、顧客接点を集約化するプラットフォーム「Circlace®」により推進

    同社は、創業時にSalesforce技術者を有するテキーラ(英:Tquila International PTE Ltd.)とパートナーを組みセールスフォース・ドットコムからの出資も受けて、オンサイトでのアドミニストレーター事業を軸に顧客層を拡大してきた。

    この事業で、カスタマーサクセスを実現する支援を重ね、ベンダー認定トレーニング・自社オリジナルトレーニングの提供など、事業範囲を拡大する中であることに直面した。

    それは、システム開発やカスタマーサクセスにおいて、顧客との接点が複数のITツールにまたがることや、双方の担当者変更によって、ナレッジがそのプロジェクトに蓄積されず、将来の開発や業務改善に活かされていない、ということだ。

    この問題を解決するために自社で開発し、支援先の顧客との間に導入した接点を一元管理できるプラットフォームがSaaS型自社製品「Circlace®」だ。

    支援先の顧客と同社の接点を「Circlace®」というプラットフォームに集約したことで、顧客のシステム開発における業務効率が劇的に改善された。また「Circlace®」内にすべての情報が集約されて蓄積、形式知化されるようになったことで、ナレッジを活用することが可能となり、業務の品質や効率が改善した。

    結果として支援先顧客へ提供するサービスの価値が大幅に向上するようになった。これは、「Circlace®」が「構想ー構築ー定着化」の各フェーズの分断なく利用可能で、顧客にも同社にもプロジェクトの根幹の知見が残り、双方の担当が変わっても仕様や開発経緯をトレース可能といった機能を兼ね備えるプラットフォームだからだ。顧客のDXの実現にもつながっている。

    これまでのカスタマーサクセス事業は、システム管理者を派遣する顧客とコンサルタント1:1の労働集約型のビジネスモデルだったが、「Circlace®」の活用が拡がり、リモート型およびチーム制で対応をする顧客とコンサルタントm:nモデルへとサービスモデルの変換が実現し、顧客の上位課題を解決できるようになった。

    これより、システム開発からコンサルティング領域へとビジネス機会が拡大していることに加え、自社SaaS型プロダクトの販売も拡大していることから、同社全体の事業構造が、労働集約型からの脱却をとげつつある。


    <コンサルティング事業>
    Salesforceからも引き続き新規の顧客紹介はあるが、既存顧客との間で1案件あたりの売上規模が拡大し、収益率が上昇してきているため、そちらに注力する方針だ。「Circlace®」の導入で、顧客のビジネス課題にアプローチできるようになっていることが背景にある。

    既存顧客のSalesforce以外のニーズも拾っていくことや、サプライヤーとコミュニティーを形成している顧客に対してはそのコミュニティーでの「Circlace®」の活用も提案していく。

    また、この事業の成長には、優秀なIT人材の獲得と人員増加が欠かせない。引き続き日本でシステム初心者IT未経験者や業務委託の相手を採用し、同社の創業以来実現してきた「専門スキル集団の育成」のノウハウを動員して、育成を続ける。またそれだけでなく、2023年6月にベトナムで発足する合弁会社「Circlace HT Co., Ltd.」を通じて、プロジェクトにおけるキーマンとなれる優秀なベトナムのIT人材を確保できるようになる。

    将来的には、この合弁会社を基点に、Salesforceの技術に精通した専門家集団が未だ存在しないアジア諸国で、ニーズを取り込み、海外ビジネスを展開していく計画だ。

    <プラットフォーム事業>
    同事業で販売する自社SaaS型プロダクトの2つはいずれも、営業における顧客獲得の再現性が既に確立されている。

    導入先で使いやすさや有用性が認知され成功体験が積み重なると、顧客内で利用が拡大するだけでなく、その先にいる取引先や顧客との接点もそのプラットフォームへ集約し成功体験を広げたいというニーズが生じる。

    顧客の成功体験が同社にとって新たな販売機会を生み出すことへとつながる。それらを案件化させる営業人材の確保がカギとなる。既存のシステム等からのスイッチングコストが高いため、顧客の経営層と案件を進められるミドル・シニア層の営業人材を獲得する傍ら、佐藤社長自らも営業の場へ赴いているという。

    また、前述のベトナムの合弁会社「Circlace HT Co., Ltd.」では、IT技術だけでなく言語面でも優秀な人材を獲得できる有力なパートナーと組んでおり、「Circlace®」を今後は、既存顧客の海外拠点へも活用を広げていくことが可能だと見込んでいる。

    「AGAVE」は、主にBPO事業者に活用されており、既にシェアの約9割を同社が有するが、同社のパートナーとなっているBPO事業者のその先での利用拡大が成長を後押しすると見込む。

    以上の成長戦略で、2030年3月期にむけて、売上高100億円 年平均成長率CAGR21%、営業利益20億円 年平均成長率CAGR49%超を達成していく意気込みだ。

    佐藤社長に達成の確度を尋ねると、「実は、コンサルティング事業でSalesforceのシステム開発のコンサルティングだけやっていれば、それほど高いハードルではありません。ただ、中長期的な成長を考えて、人員数の増加に頼らずに成長を実現できる事業構造への転換を推し進めるための投資もしっかり行い、その数字を目指します。」と説明をしてくれた。

    また、「世界への展開を考えていますが、日本企業の成長を後押しするためにも海外市場に目を向けて成長市場でビジネスをお客さんといっしょに実現させたいやりたいと思っています。上場来お願いしていることですが、投資、サービス開発を中長期的な視点目で見守っていただきたい。海外投資家からも注目されるような、成長を証明できるような企業になりたいと思っています。」と佐藤社長は熱い思いを語ってくれた。

    真に顧客へ成功体験を提供できるプラットフォームは、ブレイクを迎えると加速度的な成長を見せる。

    ここから3-4期でDX事業の売上高はCAGR106%の成長を見込み、事業利益も黒字化する計画だ。佐藤社長は「生成AIの活用により、業界が大きな変革期を迎えている。サービス価格や人材教育の在り方などこれからの変化は想像もつかない。スピード感をもって世の中の変化に対応していきたい。」と語ってくれた。

    世の中の変化への対応を乗り越えて、ブレイクをものにしていけるか、今後の同社の変化が楽しみである。

    Covarage:2023年7月25日
    時価総額:35億87百万円





    当記事は、有価証券への投資を勧誘することを目的としておらず、また何らかの保証・約束をするものではありません。
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  • IRニュース

  • 会社情報

    社名
    サークレイス circlace Inc
    本社
    〒104-0031 東京都中央区京橋1-11-1 関電不動産八重洲ビル 4F
    電話番号
    050-1744-7546
    代表者
    佐藤 スコット
    設立
    2012年11月1日
    資本金
    3億9540万円

    事業内容

    ・DX(デジタルトランスフォーメーション)に関するコンサルティング
    ・ICTを活用した業務改善に関するコンサルティング
    ・SaaS製品(Circlace®, AGAVE, Prigister One)の開発、販売
    ・クラウドソリューション(Salesforce, Anaplanなど)の導入における設計から開発、
    さらに定着化、保守・運用サポートまでのワンストップサービスの提供


    役員

    代表取締役会長兼社長  佐藤 スコット
    取締役         佐藤 潤
    社外取締役       中尾 慎太郎
    社外取締役       シェイマス・マッキュー
    社外取締役       庄司 哲也
    社外取締役       松永 達也
    常勤監査役       林 史彦
    社外監査役       名取 勝也
    社外監査役       福田 あずさ

    代表プロフィール

    佐藤 スコットのプロフィール画像

    佐藤 スコット(さとう すこっと)

    アメリカ・ニューヨーク州出身。 アイオナ大学卒業後、会計事務所にて国際コンサルタントとして活躍。 その後、パソナインターナショナル(現・Pasona NA Inc.)に入社。 同社で代表取締役社長を務めた後、パソナにて代表取締役社長COOに就任。 2012年に現在のサークレイスの前身となるパソナテキーラを設立し、代表取締役社長に就任。 2020年より取締役会長を務め、2024年4月より現職。