PR TIMES( 東証PRM:3922)
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公開日:2020.11.04
すべてはミッションを実現するために
企業とメディア、生活者をニュースでつなぐプレスリリース配信サービス「PR TIMES」などを展開している、株式会社PR TIMES。
「行動者発の情報が、人の心を揺さぶる時代へ」というミッションを掲げ、2016年3月に東証マザーズへ上場し、2018年8月には東証一部への市場変更も果たしている。
基幹事業のPR TIMESは国内上場企業の40%以上が利用、利用企業社数は2020年6月に4万社を突破。
新規事業として取り組むSaaS型ビジネス向けツールの「Jooto」と「Tayori 」のユーザー数はそれぞれ23万4,562名、3万7,195名(2020年8月末)と成長。
2020年度上期業績は、売上高 17億4千1百万円(前期比26.7%増)、営業利益 6億3千1百万円(同83.1%増)とコロナ禍でも過去最高を更新。
売上高25%超成長と営業黒字の連続記録を14期に伸ばそうとしている。
事業への想いや今後の展開、そして株式市場との向き合い方を、代表取締役社長の山口拓己氏に聞いた。事業への想い:ニュースの主役を変えていき、PRとニュースの民主化を成し遂げる
新サービスの開始、限定商品の発売、イベントの開催、プロジェクトの発足、業務提携、社長交代など。
企業が何か公表する際、報道機関を通じて生活者へ届けようとする。その結果、記者や編集者のもとには日々山ほどのプレスリリースがメールやFAXで届き、さらに記者クラブの投函ボックスには紙のプレスリリースが今でも投げ込まれる。
しかし記者はすべてのプレスリリースを記事にするわけではない。
紙のプレスリリースはメディアに取り上げられたとしても、いずれ廃棄される運命にあった。
それがPR TIMESの登場によって、プレスリリースはデジタルコンテンツとなり、オンラインで生活者へ直接届けられるニュースとなった。
サイト閲覧数は大手ウェブメディアと比べてもそん色ない規模と言える月間5000万PVを超え、プレスリリースを転載するメディアは200に達している。
PR TIMESはプレスリリースを変え、PRの民主化へ向けて前進しているが、社会的なインパクトはまだまだ小さいと感じている。
私たちが日々目にするニュースは、事故や事件、政治や行政の失態、そして有名人のスキャンダルなどがあまりにも多い。
またポジティブなニュースは、ごく一部の特別な人の成果であり、多くの人にとっても“向こう側で起きた出来事”になっていて、自分がニュースの主役になるとは想像できていない。
PR TIMESから月に1万8000を超えるプレスリリースを発信中(2020年8月末時点)。
そのひとつ1つに物語があると山口氏は話す。熱を帯び、愛が芽生え、夢を抱く。
不安や葛藤を抱えながらも行動し、表明する。
そのようなプレスリリースに胸が熱くなり、時に心を揺さぶられる。
ひとりのカリスマが世界を変えるのを願うのではなく、一人ひとりが自ら原動力になって、やがて世の中を変えていくような社会変革を起こしていきたい。と山口氏は語る。
当社ミッションの「行動者発の情報が、人の心を揺さぶる時代へ」にある「行動者」とは、決して有名な経営者や人気起業家を指しているわけでない。
むしろ、私たちが暮らす社会を実現してくれている「名もなきヒーロー」がたくさんいて、そこにスポットライトを当てていきたい。
そのような行動者が発する情報が人の心を揺さぶり、次の行動者が立ち上がるよう勇気を与えるような、ポジティブなエネルギーの循環を生み出す社会の実現を目指してしていくと山口氏は語る。今後の展開:グローバル展開と、PR TIMESを超える事業への挑戦
今期2020年度が上場直後の2016年に発表した中期経営目標の最終年度。2020年度通期決算発表で、次期中期経営目標を発表できるように進めている。
中期経営目標より少し長い時間軸で、ミッションに向けたマイルストーンが大きく3つある。
ひとつが、PR TIMESを日本で社会的な情報インフラにすること。
PR TIMESの利用企業社数は4万社を超えている。しかし、人々の生活や企業活動に必要不可欠な社会基盤と呼べる域には達していない。
今後、企業規模や所在地域によらず、誰もが自らの行動や成果を発信し、そのニュースを必要とする生活者に届けられるようになりたい。
ふたつめが、PR TIMESを世界的なインターネットサービスにすること。2013年に中国に進出して、翌年撤退している。
グローバルで成功する難しさは重々承知している。
今でも、PR TIMESが海外で成功する確率は低く、日本市場に集中したほうが投資対効果の期待値は高いかもしれない。
それでも、日本以外の市場への再挑戦を決心していると山口氏は話す。そして最後に、PR TIMESを超える事業づくりに挑戦する人材が1人でも多く現れる組織になること。
PR TIMESをどこまで拡大できても、それだけでは当社のミッションを実現できない。
まずは、いま投資フェーズのJootoやTayoriをしっかりと伸ばして、日本の業務効率化や生産性向上に大きく貢献できるようになる。
さらに、社会を大きく前進させうる事業を立ち上げ、それを本気で成し遂げるために率先して行動する社員を1人でも多く増やす。
その結果として、当社からPR TIMESを超える事業を育てたい。株式市場との向き合い方:グローバル展開と、PR TIMESを超える事業への挑戦
2016年3月に上場。誰でも当社の株主になれるということは大変素晴らしいことであると感じている。事業を通じて社会に役立つだけでなく、株主価値向上を通じて公共の利益にも貢献できる。
また、株主価値の低下は公の損失にも繋がるという緊張感を持って、会社経営に取り組むことができる。
しかし、日々の株価の値動きは知るべき情報ではなく、時に経営者の心を惑わせる雑音でしかない。
ベンジャミン・グレハムが「株式市場は短期的には投票機だが、長期的には計量器」と語っているが、私は人気で票を集めず、社会的な役割の大きさで評価される企業を築こうとしている。
企業理念を理解し、共感して、当社が成し遂げることを長期的に応援いただける株主を増やしたいと考えていると山口氏は語る。
私は顧客やユーザーを中心に考え、パブリック・ファーストを追求している。
株主が中心でも第一でもない。
しかし、長期的な視点で、企業価値を成長させ続ける限り、株主の利益にもつながるはずと山口氏は語る。
そして、持続的な企業価値向上を実現するため、3つの要件を兼ね備えた株主を増やす方針を掲げている。
① ステークホルダーとしてのANDが多い
② ステークホルダーとしての関係性が長い
③ 事業や組織への成長の貢献が大きい
ステークホルダーとしてのANDが多いとは、様々なステークホルダーとしての顔を持っている。
「たとえばお客様であり、サービスの推奨者であり、社員の友人であり、ビジネスパートナーであり、業界のオピニオンリーダーであり、株主であるといったように。」と山口氏は話す。
様々なステークホルダーとしての顔を持ち、それぞれの立場で事業や組織の成長に貢献していただける株主を増やしたいと考えている。
そのひとつの施策として、当社の従業員持ち株会は、以下の通り奨励金を負担して、社員株主を増やしている。
・月1万円以下の拠出に対しては50%を奨励金とする
・月1万円超の部分に対しては10%を奨励金とする
たとえば、毎月の給与から2万円の拠出であれば6千円が奨励金となる。
実際に半数以上の社員が従業員持ち株会に加入している。
ただ社員以外のステークホルダーが株主になりやすい機会はつくれていないので、今後に何かしら講じていきたいと考えていると山口氏は語る。Coverage:2020年11月4日
時価総額:505億99百万円
当記事は、有価証券への投資を勧誘することを目的としておらず、また何らかの保証・約束をするものではありません。
投資に関する決定は利用者様ご自身のご判断において行っていただきますようお願い申し上げます。 -
IRニュース
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会社情報
- 社名
- PR TIMES , Inc.
- 本社
- 〒107-0062 東京都港区南青山2-27-25 ヒューリック南青山ビル3F
- 電話番号
- 03-6455-5464
- 代表者
- 山口 拓己
- 設立
- 2005年12月26日
- 資本金
- 4億2,066万円
事業内容
プレスリリース配信サービス「PR TIMES」の提供を事業の中核として、企業と生活者をニュースでつなぐプラットフォーム事業の展開
役員
代表取締役社長 山口拓己
取締役経営管理本部長 三島映拓
取締役 戸﨑康之
取締役 鎌田和彦
取締役 鈴木啓太
常勤監査役 向川壽人
監査役 田中紀行
監査役 羽入敏祐
代表プロフィール
山口 拓己(やまぐち たくみ)
愛知県豊橋市出身。東京理科大学を卒業後、山一証券に入社。アビームコンサルティング等を経て2006年に株式会社ベクトルに入社、取締役CFOに就任。2007年にプレスリリース配信サービス「PR TIMES」を立ち上げ、株式会社PR TIMES代表取締役社長に就任(現職)。