クロス・マーケティンググループ( 東証PRM:3675)

next10bagger HOME

社長インタビュー記事

クロス・マーケティンググループ( 東証PRM:3675)

  • Next ten-Bagger レポート
  • IR情報・業績ハイライト
  • 企業情報・代表プロフィール
  •   

    公開日:2020.04.28

    “リサーチ会社”から“インサイトがわかるデジタルマーケティング企業”へ飛躍

    株式会社クロス・マーケティンググループは、2021年1月からの新年度より事業セグメントを変更し、従来のリサーチ事業がメインの企業グループイメージを一新。

    マーケティングリサーチによる消費者の“インサイト”(消費行動の根源となる理由、心理)の理解・分析力を強みの根幹とするデジタルマーケティング事業を成長の軸に据えた。

    こうした“DX化を支援する総合マーケティングソリューション企業”とのポジショニングを明確化した効果が、早くも新年度第1四半期の好業績に表れている。そんな同社のten-Bagger戦略を、代表取締役社長兼CEOの五十嵐幹氏に聞いた。

    事業内容:デジタルマーケティング事業中心に、リ・セグメント

    <デジタルマーケティング事業>
    祖業である消費者インサイトのリサーチ・分析から、アプリやWebサイト、およびシステム開発、プロモーションに至るまで、顧客のビジネスのデジタルマーケティング全般を一括して支援。

    成長が期待される新サービスは、同事業との親和性が高く、今後の市場の成長が期待されるD2C(Direct to Consumer)領域におけるブランドのマーケティング活動をトータル支援する「D2C Growth Partnerサービス」。

    <データマーケティング事業>
    オンライン上に有する業界最大級の約500万人(提携パネル含む)の自社アンケートモニターの声を収集する。

    現在では顧客が持つCRMデータ等との連携を行い、BIツールなどの形で提供する案件にも対応。
    これにより、顧客の事業/マーケティング活動の意思決定を支援する。

    <インサイト事業>
    自社アンケートモニターをリソースとして、消費者の声を分析し商品購入に至る動機や理由などのインサイトを抽出。これを基にした、顧客の事業/マーケティング活動を支援するコンサルテーションを行う

    業績動向:新セグメント後の第1四半期は史上最高決算

    直近5年間の売上高は、159億8,469万円(2020年12月期)、185億7,965万円(2019年12月期)、174億9,188万円(2018年12月期)、167億5,809万円(2017年12月期)、159億6,912万円(2016年12月期)。

    同じく経常利益は、10億7,844万円(2020年12月期)、11億4,981万円(2019年12月期)、8億3,973万円(2018年12月期)、5億9,731万円(2017年12月期)、12億6,699万円(2016年12月期)。

    ここ数年、売上高は105%前後の成長を見せていたが、2020年度はコロナ禍の影響を受け14%のマイナスに。同じく経常利益も137~140%の成長ペースから6%程度のマイナスとなった。

    しかし、2021年度は事業セグメントの変更によるデジタルマーケティング主体というポジショニングの明確化、及びより高い成長を目指すマネジメント推進の効果が早くも出て、第1四半期の売上高は54億9,927万円で対前年比119%、経常利益も9億1,153万円で対前年比221%という、同期間の業績として同社史上最高となった。

    「これによって、新年度からの事業戦略の妥当性が立証されつつあると自負している」と五十嵐氏は話す。

    事業戦略:積極的な外部提携・M&Aで顧客ニーズにスピード対応

    同社グループは、デジタルマーケティング事業を手がける国内5社、データマーケティング事業並びにインサイト事業を手がける国内5社・海外7社の計17社の主要企業で構成されている。

    スタートは2003年4月の株式会社クロス・マーケティングの設立。インターネットリサーチ企業としては後発であった。

    そこで、早く業界の成長軌道に乗るために、アンケートモニター募集・登録に関して他社との提携戦略を取る。

    登録情報は毎年更新することで常に最新の属性状態を維持するとともに、品質管理を徹底してきた。

    こうして急成長を遂げ、6年目の2008年10月に東証マザーズに上場を果たす(2018年3月に東証一部に市場変更)。

    海外展開もいち早く2012年5月に中国・上海に子会社を設立。2014年には欧米およびアジアなど8カ国に拠点展開する企業グループを完全子会社化する。

    現在までアジア各国でマーケティングリサーチサービスを展開し、欧米のIT大手ベンダーなどグルローバル企業が成長著しいアジア市場を開拓すべく利用している。

    リサーチ事業を推進する中、顧客から「インサイトが分かったら、そのターゲットに向けたマーケティング戦略や実行策も提供してほしい」というニーズの広がりを受ける。

    そこで、2011年8月に株式会社インデックスよりモバイル向けソリューション事業の一部の譲渡を受け、株式会社クロス・コミュニケーションを設立しITソリューション事業に進出。

    2015年には、広告代理機能を持ちWebプロモーションなどのマーケティング活動を支援する株式会社ディーアンドエムを設立し、プロモーション事業にも進出する。その後、積極的なM&Aを続け、各事業領域の拡充を図ってきた。

    「従来、マーケティングリサーチやメディア構築、プロモーションによる一連のマーケティング活動は、顧客の中でプロセスを区切ってそれぞれの外部ベンダーと協業しながら一つひとつ進めていた。

    しかし、競争環境の激化でスピードが問われるようになると、トータルの支援サービスがワンストップで求められるようになった。

    こうした流れを取り入れながら、現在の事業セグメントを構成する企業グループに発展させてきた」と五十嵐氏は説明する。

    成長可能性:グローバルで10兆円超の“成長”市場を目指す

    同社の成長力の源泉となる強みは、次のとおりだ。

    まず、中心となるデジタルマーケティング事業においては、インサイト事業およびデータマーケティング事業が持つ機能の活用により、消費者のインサイトまで把握可能なことによる的確な施策を提供できるという決定的な強みを持つ。

    「従来のデータ分析は、どういう属性の人が、いつ、何を、どれだけ買ったかは分かりますが、“なぜ”買ったのかまではわかりませんでした。買わなかった人については、何一つわからないままです。そこがインサイト機能のないDXの限界でした。当社はリサーチ事業で培ったノウハウを活かし、インサイト発掘機能まで有するデジタルマーケティング企業グループとして、その限界を突破したのです」と五十嵐氏は強調する。

    一般的なデータサイエンティストは、エンジニア出身で論理的なアプローチを得意とするのに対し、同社には消費者心理の定性的な分析を得意とするデータサイエンティストも存在するという特色も大きい。

    消費者のデータ収集・インサイトを分析の対象となる登録モニターは、2021年5月現在、約500万人という業界トップレベルの量と質を誇る。

    システム構築面では、クロス・コミュニケーション社が蓄積した技術力が挙げられる。

    同社は、ネット証券の60%を占めるほか、ネットバンクやカード会社といった金融系アプリの運用・保守等を担っている。

    こうしたアプリは24時間365日、ダウンが許されないミッションクリティカルなものであり、豊富な実績と知見に基づいた信頼性が同事業の強みである。

    このノウハウがD2Cブランド支援にも発揮されている。こうした強力な要素を結集し、新年度からのセグメント変更に伴いデジタルマーケティング事業をグループの核に据え、事業を推進させていくことが、成長戦略の核心にある。

    以前の主力事業であったリサーチ事業においては、国内市場規模は2,000億円程度。グローバルでは5兆円と大きいが、さらにコンサル領域も含めた市場概念が拡大し、現在は10兆円まで対象となる市場が拡大している。

    そこから、さらにデジタルマーケティング領域において、2019年度に国内2.1兆円のインターネット広告市場、同じく2019年度の2兆円強から2025年には3兆円にまで伸びると予測されるデジタルD2C市場に打って出ることになる。

    「国内では、当社のような消費者のインサイトに基づくデジタルマーケティング支援を手がける会社は多くありませんが、海外では既にコンサル企業等が同領域において事業を拡大しており、DeloitteやAccentureといった会社がそこに位置付けられています。

    対象となる市場規模は合計10兆円を大きく超える。当社は日本発のプレーヤーとして、この市場にチャレンジしていきます」と五十嵐氏は意気込む。

    消費者ニーズの多様化や変化の加速などにより企業のマーケティング活動は複雑化し、機動的な意思決定やビジネス展開が求められてきている。

    また、IT技術の進展により消費者データの取得が容易になった一方で、その活用が出来ている企業は少ない。

    さらにコロナ禍においてDX化の重要性は一層高まっている。

    同社においては、IT・デジタル技術を生かした、データ収集・整理、インサイトの発掘から、それらのファクトに基づいたマーケティング活動の実行支援までをアジャイルかつワンストップで提供する、今までにないマーケティング×DXソリューションを提供する企業グループとしての市場ポジションの獲得を目指す。

    そのほか、3rdパーティーのデータを取り込むデータマーケティングソリューションの強化、アライアンスによるデジタルサービスを拡張するオープンイノベーションの拡張、社内のさらなるDXなど、グループ内外に対するデジタルシフトを推進する「DX ACTION」戦略を掲げ、ビジネスモデルの進化と事業領域の拡大を図っていく構えだ。

    同社を“リサーチ業界の会社”と見てきた投資家は、見方を変えるべきであることは確かだ。

    Coverage:2020年4月28日

    時価総額:101億84百万円





    当記事は、有価証券への投資を勧誘することを目的としておらず、また何らかの保証・約束をするものではありません。
    投資に関する決定は利用者様ご自身のご判断において行っていただきますようお願い申し上げます。

    IRTV
    クロス・マーケティンググループ/2022年6月期 第3四半期決算速報動画

    ★ IRTV for YouTube チャンネル登録 はこちらから

  • IRニュース

  • 会社情報

    社名
    クロス・マーケティンググループ Cross Marketing Group Inc.
    本社
    〒163-1424 東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティタワー24F
    電話番号
    03-6859-2250
    代表者
    代表取締役社長兼CEO 五十嵐 幹
    設立
    2013年6月3日
    資本金
    6億4,671万円

    事業内容

    デジタルマーケティング事業、データマーケティング事業、インサイト事業


    役員

    代表取締役社長兼CEO 五十嵐 幹
    取締役CFO 小野塚 浩二
    取締役 杉村 昌宏
    取締役 富永 晴次
    社外取締役(監査等委員) 成松 淳
    社外取締役(監査等委員) 内田 輝紀
    社外取締役(監査等委員) 田原 泰明

    代表プロフィール

    代表取締役社長兼CEO 五十嵐 幹のプロフィール画像

    代表取締役社長兼CEO 五十嵐 幹(いがらし みき)

    1973年生まれ。1996年、慶應義塾大学 経済学部卒業後、日本アジア投資株式会社に入社し、主にネット系ベンチャーの投資と経営支援に携わる。その後、2003年に株式会社クロス・マーケティングを設立。2008年に東証マザーズに上場。2018年には東証一部に上場市場を変更。デジタルマーケティング事業を成長の柱に、データマーケティング事業、インサイト事業等、幅広く事業を展開。代表取締役としてグループ世界11か国、連結従業員1,000名を超えるグループに成長させ、さらなる拡大を推進している。