ピーバンドットコム( 東証一部:3559)

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  • 国内シェアNo.1のプリント基板ECを運営。新規事業の完成品EMSで高成長を目指す

    あらゆる電子機器に用いられている、プリント基板。ピーバンドットコムは、プリント基板の設計から製造、実装、小ロット量産までをECサイト上にてワンストップで提供している、国内唯一の存在である。

    これによって、従来の対面販売における手間を劇的に削減し、納期の短縮化や独自の工夫によるコストダウンを実現。

    約2万5,000社の顧客を擁し、ECとして国内トップシェアを誇る。そして、2019年からは電子機器のEMSを手がけるECの新規事業に乗り出した。

    既存の顧客層をリードとして、より高単価・高付加価値のビジネスを軌道に乗せることで、大幅な成長を狙っている。
    そんな同社のten-Bagger戦略を、代表取締役の田坂正樹氏に聞いた。

    事業内容:ハードウェア製作に向けた諸サービスを提供する『GUGENプラットフォーム』

    <Eコマース事業>
    ハードウェア製作のための基礎環境として利便性の高い諸サービスを提供する『GUGENプラットフォーム』を運営している。

    その中心は、製造・製品化のマーケットプレイス『P板.com』。家電、スマートフォン、自動車、医療機器、ロボット、さらには人工衛星など、あらゆる電子機器の基幹部品であるプリント基板の設計から、製造、チップやコンデンサーなどの実装、1000個程度までの小ロット量産、ハーネス加工、筐体・パーツ製造に至るまでの全工程をワンストップで提供するECサイトだ。

    そのほか、エンジニア向け技術情報サイト『@ele』、ハードウェア開発のためのビジネスマッチングサイト『GUGEN Crowd』、エンジニアの登竜門『GUGENコンテスト』を運営している。

    業績動向:コロナ禍の影響から一気に反転攻勢をかける

    直近4年間の売上高は、約18億3,000万円(2017年3月期)、約19億9,500万円(2018年3月期)、約21億0,600万円(2019年3月期)、約21億3,300万円(2020年3月期)と101~109%の成長を続けてきた。

    2021年3月期は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を主要因として、19億2,300万円と▲10%程度を見込んでいる。

    同じく経常利益は、約2億2,000万円(2017年3月期)、約2億9,000万円(2018年3月期)、約3億円(2019年3月期)、約2億3,200万円(2020年3月期)。

    減益は、2019年12月に東証一部への市場変更に伴う費用の発生が主要因。2021年3月期は、約1億8,600万円と▲20%程度を見込んでいる。

    「すでに業績は上向いており、本年度の決算数字が底であるのは間違いありません。2021年度は一気に反転し、攻勢をかけていきます」と田坂氏は意気込む。

    事業戦略:プリント基板の発注コストを劇的に軽減する『P板.com』

    電子機器の開発工程では、数回にわたる試作が繰り返され、そのたびにプリント基板が必要となる。

    その場合、基本的に数個あれば済む。また、医療機器や放送機材、人工衛星のように何十万台と量産されるものではない電子機器の領域がある。

    従来、技術者がこうした小ロット製品のプリント基板をつくってくれる工場を探すのは一苦労であった。探し当てることができても、工場に赴いて仕様を説明し、見積もりを取って価格交渉を行う手間も要していた。

    同社はここにビジネスチャンスを見出し、24時間365日いつでも簡単に発注でき、対面販売における一連の手間を劇的に削減したECサイト『P板.com』をリリースした。

    『P板.com』は、国内外の約30社の契約工場をネットワークしている。ユーザーが同サイト上でプリント基板の仕様を指定すると、瞬時に適した工場を自動選定して、最短1日から4通りの納期コースごとの見積もりを提示する。

    ユーザーは提示されたコースを選択し、設計図をアップロードするだけでプリント基板がオーダーできる。サービス品質の高さも特筆ものだ。

    設計図の配線が近すぎる場合、ショートしやすいといった問題までチェックしている。製造したプリント基板は、全数をテストした上で納品している。納期遵守率は99.2%(2019年度)という驚異的な高さだ。

    「海外工場からの納品が台風などで欠航する場合、民間便によるハンドキャリーで運ぶこともある」という手厚さだ。

    一方、価格面の改革効果も大きい。従来、電子機器開発のネックとなっていたことに、試作のたびにプリント基板製造のイニシャルコストが発生するという問題があった。

    そこで同社は、製造資材であるフィルムや版を保管せず、効率的な異種面付工法によりイニシャル費用を完全無料化し、製造費用のおよそ80%ものカットを実現させている。

    こうしたベネフィットが評価され、ユーザー数は約2万5,000社・約6万人に及んでいる。ユーザーは日本を代表する大手メーカーやベンチャー、研究所、大学や高専、さらには個人事業までと幅広い。

    契約工場によるファブレス生産体制、100%オーダーメードによる在庫ゼロ、システム化の徹底による従業員数30名強の運営体制という“持たざる経営”で、従業員1名当たりの営業利益が上場企業平均の5~7倍という極めて高い生産性も強みだ。

    「高収益で福利厚生や働きやすい環境を充実させていることで定着率が高まり、専門知識の習熟度向上に繋がるという正の循環ができています。また、収益は新規事業などの積極的な先行投資にも回せています」(田坂氏)

    成長可能性:外部要因・内部要因の両面で潤沢なポテンシャルと成長戦略

    外部の環境要因と、内部の事業開発要因の双方において、大きな成長ポテンシャルが同社にはある。環境要因としては、電子機器市場の広がりだ。

    例えば、EV。これからのクルマは“コネクテッド”というキーワードのように、車載通信機で接続されるようになる。また、自動運転化が進み、電子機器は増える一方だ。通信では“5G”の時代となり、IoT化も急激に進展するだろう。

    そのほか、ウェアラブルやロボティクスなどの領域に加え、コロナ禍でリモートワークや非接触のためのデバイスなどの市場も急進展している。

    さらに、これからは宇宙ビジネスも花が開く。これら全てに必要となる電子機器には、プリント基板が使われることになる。また、EC化の可能性も大きい。国内のプリント基板の市場は約6,500億円の規模があるが、うちECは30億円程度。EC化率は0.5%に満たない。

    うち約20億円を占める同社は圧倒的なトップシェアであるが、市場全体でのシェアはわずか0.3%である。

    ECの残り10億円ほどの同業他社は、ECといっても見積もりだけ、発注だけといった限られた機能を提供するのみで、『P板.com』のようなワンストップでの全機能を備えているサイトはほかにない。

    市場全体における同社のシェア拡大の可能性は極めて潤沢にあるといえる。内部の事業開発要因としてまず挙げられるのは、新規事業であるEMSへの展開だ。

    プリント基板という部品にとどまらず、電子機器の完成品の製造における見積もりから納品までの一連の手続きの全てをEC上で行うという画期的なビジネスである。

    2019年12月にスタートし、現在までユーザーの大半は小ロット量産を求めるハードウェアベンチャーが占めている。

    「現在は、EMS専門スタッフが完成品納品までをサポートし、お客様のニーズを集約しながらエンジニアリングネットワークの構築とシステム開発を進めています。海外含め、EC上で完結するEMSはほかに存在していないと思います。EMSの工程においてECで完結できるサービスの幅を広げていくことにより、当社事業の独自性をさらに高めることができます。」と田坂氏は胸を張る。

    「台湾の鴻海のような何百万台という規模ではなく、1万台程度までの小ロット量産に徹していきますが、製造を引き受ける品目は限定していません。お客様のニーズを受け、生産能力やキャパシティーを備える契約工場を整備していくという考え方で事業を広げていきます」(田坂氏)。

    プリント基板のような部品と違い、完成品の単価は桁違いに大きい。売上拡大に寄与する効果は非常に大きいといえる。さらに、他社との事業提携やM&Aにも力を入れていく。手始めに、スイスのシステム開発会社であるSwissmic SAと資本業務提携を行った。

    同社のAIテクノロジーにより、図面を読み込んだだけで必要な部品を自動的に抽出し発注までできるという、受発注業務のさらなる効率化を実現させていく構えだ。

    コロナ禍による世界経済減速の煽りを受け、開発継続困難の可能性が浮上したためシステム開発投資費用を特別損失に計上しているが、当該技術の一部はすでに導入を始めている。

    顧客開拓の面では、年間を通した電子工作・基板設計関連セミナーでの技術者との繋がりや、『GUGENコンテスト』における技術者志望の高校生や高専生、大学生との繋がりづくりが挙げられる。

    『GUGENコンテスト』への出場が一部の高専の課題として指定されているなど、教育現場に浸透。中長期的な観点での将来のユーザー育成にも抜かりはない。

    Coverage:2021年3月1日

    時価総額:37億3百万円

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  • 会社情報

    社名
    ピーバンドットコム p-ban.com Corp
    本社
    〒102-0076 東京都千代田区五番町14 五番町光ビル4F
    電話番号
    03-3261-3431
    代表者
    田坂 正樹
    設立
    2002年04月
    資本金
    1億6,279万円

    事業内容

    プリント基板のEコマースサイト P板.com(ピーバンドットコム)を中心とした、”GUGENプラットフォーム”の運営


    役員

    代表取締役 田坂 正樹
    取締役COO 後藤 康進
    取締役CFO 上田 直也
    取締役監査等委員 赤崎 鉄郎(常 勤)
    取締役監査等委員 櫟木 一男(非常勤)
    取締役監査等委員 鶴 英将(非常勤)

    代表プロフィール

    田坂 正樹のプロフィール画像

    田坂 正樹(たさか まさき)

    1971年 東京都日野市生まれ。 1995年 多摩大学経営情報学部卒業 1995年 株式会社ミスミ(現:株式会社ミスミグループ本社)入社 2000年 株式会社ブレイク・フィールド社 取締役就任 2002年 株式会社インフロー(2012年、株式会社ピーバンドットコムに社名変更)設立 代表取締役就任 2017年3月 東証マザーズに株式上場 2019年12月 東証一部に株式上場