株式会社グッドコムアセット( 東証一部:3475)
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公開日:2022.08.30
マンションに特化したREITの運用で2030年に売上高6,000億円、営業利益600億円を目指す
投資用新築マンションの自社ブランド『GENOVIA』を、ホールセール、リテールセールス、グッドコムファンドという多様なチャネルで投資家に提供してきた、株式会社グッドコムアセット。
東京23区内の最寄駅から徒歩10分以内×緑化×統一感というブランディングや、建物管理・賃貸管理に加え家賃債務保証まで一貫して手がけるリアルエステートマネジメント事業など特色のある事業を強みに、今後は手掛けた物件をグッドコムアセット投資顧問で運用し、金融商品として残高を積み上げていく方針だ。
そんな同社のten-Bagger戦略を、代表取締役社長の長嶋義和氏に聞いた。事業内容:新規事業としてREIT事業を追加し新たな5事業へ
同社が手掛けるマンション『GENOVIA』は、東京23区内の最寄り駅から徒歩10分圏内という立地条件にこだわり、1階部分を壁面緑化する「green veil」や屋上緑化の「sky garden」を採用、外観やアプローチ、エントランス部分の統一感あるデザインでブランドを統一している。
<ホールセール事業>
『GENOVIA』の法人投資家への一棟販売、および同業他社への卸売りを行う。
<リテールセールス事業>
『GENOVIA』の個人投資家への戸別販売を行う。
<リアルエステートマネジメント事業>
100%子会社による入居者募集時の賃貸管理、建物の維持管理 、入居者の家賃債務保証を行う。家賃債務保証は、幅広い職業の入居者も対象に他社物件も取り扱う。不動産仲介事業を営む直営実店舗の運営も開始。
<その他事業>
不動産Techを活用した任意組合の『Good Com Fund』を通じて『GENOVIA』の小口販売を行う他、上場準備会社向けIPOコンサルティング、上場会社向けIRや資本政策などのコンサルティング、およびIPO確度の高い企業への出資を行う。
<REIT事業>
私募REITとして、従来手掛けてきた東京23区中心の新築物件のGENOVIAに加えて1都3県、中古物件へも仕入れ対象範囲を拡大した物件を株式会社グッドコムアセット投資顧問で運用する。業績動向:CAGR(年平均成長率)は30%超と高い伸び
過去5年、右肩上がりに売上高、営業利益ともに増収増益を継続し、2017年10月期の売上高98億円、営業利益9億円から2021年10月期には売上高342億円、営業利益34億円へと、業容拡大してきた。
CAGR(年平均成長率)は、売上高、営業利益ともには30%を超えて高い成長を続けている。事業戦略:TVCMによる知名度の向上と全国展開でブランド構築を継続、仕入対象物件を拡大しREIT事業で物件を積み上げる
2021年11月から女優の菜々緒さんを起用したTVCMを放映し、社名の知名度を高めてきたこともあり、リテールセールスにおける全国展開は順調だ。
これまで事業戦略として『GENOVIA』物件の設計やデザインを統一してきたことで、社名と物件のブランド名が紐づいて認知されるようになりつつある。今後は社名だけでなく、事業内容なども訴求する内容へとTVCMを展開していくことも検討している。
物件の仕入においては、独自の「オフバランス・スキーム」により先行コスト削減や高い資金効率を今後も継続していく方針だ。
同社が紹介した土地を建設会社に取得してもらい、同社が2~3%の手付金を払い、竣工後の販売に応じて建設会社へ残代金を支払う形を取る。同社は手付金のみで仕入が可能となるため、仕入スピードの向上と財務体質の健全化が図れるというメリットがある。建設会社としては、土地を担保に融資を受けることが可能で、無理なく着実に仕事を得られるメリットがある。
このスキームで、20社の建設会社と長期にわたる取引を継続してきた実績を有す。
2022年5月に設立したグッドコムアセット投資顧問は、これから約1年以内に代理業を取得し、投資法人を立ち上げて、同社が供給した物件の運用を請け負うことを想定している。
今後はこのREIT事業を中心に、金融商品として物件を積み上げ、従来のホールセール、リテールセールス中心の会社からREIT事業を主軸へと変化していく戦略だ。成長可能性:「21世紀を代表する不動産会社を創る」素地が整い、REIT事業での快進撃がはじまった
事業ごとの成長戦略は、次のとおりだ。
<ホールセール事業>
主たる販売先は、法人投資家で物件購入後はREITに組み込んでいるとみられる。区分所有同様の末端価格で、卸売りより10%ほど利益率が高くなる1棟販売が中心だ。
この事業のノウハウを生かして、新規に開始するのがREIT事業だ。同事業及びREIT事業の残高積み上げのため、仕入を拡大する必要があり、従来大切にしてきたプロパー社員の採用に加えて、物件仕入のできるプロフェッショナル人材の中途採用を拡大し、業容を拡大する方針だ。
<リテールセールス事業>
同事業の顧客層は、公務員が96%、女性が82% を占める。公務員名簿をもとに、DMを発送し、問い合わせを待つ営業スタイルだ。
従来は東京を中心に営業展開していたが、コロナ禍で、都内で対面での商談が難しくなったことをきっかけに、全国へと営業エリア拡大を加速した。従来は7割を占めた関東圏の顧客比率が3割へと変化するほど、順調に関東外での顧客層が広がっており、このまま一機に全国区で営業基盤を構築する方針だ。
<リアルエステートマネジメント事業>
建物管理、賃貸管理の売り上げは、『GENOVIA』の販売増にリンクして増加するストックビジネスとしての強みを発揮できる。
株式会社グッドコムナビを設立したため、今後は不動産仲介事業の直営店舗を通じて入居者を自社で獲得できるようになる。山手線全駅への店舗展開を目指す。今後REIT事業向けに物件を増加させていくなかで、入居時の仲介手数料といった収益機会も自社グループ内へ取り込むことが可能となる。
入居者の家賃債務保証は職業で選別しない審査に特色を生かし、他社物件も含めて販売窓口となる加盟店を増やすことが成長戦略となる。
<その他事業>
上場準備開始後2016年JASDAQ上場までに要した8年間のノウハウを上場コンサルティングに活かし、地方証券取引所への案件を中心に上場支援することや、出資を継続している。
案件は紹介が中心で、本業への相乗効果もあるため、案件数を増やしていく方針だ。
『Good Com Fund』は、1口10万円からという小口で『GENOVIA』を区分所有でき、かつ申し込みから重要事項説明、売買契約までの全工程をネット上で完結できる日本初のファンドだ。
近い将来不動産取引のIT化が進むことを見越して、取り組んでおり、同社の認知度向上とともに取引も増える見込みだ。
<REIT事業>
これまで『GENOVIA』ブランドでホールセール、リテールセールスで販売してきた物件の仕入ネットワークをいかして、同事業でも物件の積み上げを目指す。
東京23区で124棟、神奈川県8棟、千葉県1棟といった仕入実績の太宗がリピートで、銀行や信託銀行、大手仲介会社や建設会社、地権者とのネットワークを基に取扱物件数を拡大していくことが期待される。
以上の成長戦略で、売上・利益とも引き続きCAGR30%超を達成していく意気込みだ。注力するREIT事業への熱い想いを「今までは不動産会社として仕入れを行い、販売してきたが今後は金融商品という考え方になっていく。REITの残高をどれだけ積み上げられるか、になる。」と長嶋社長は語ってくれた。
数値目標について尋ねると、「売上高6,000億円、営業利益600億円は、上場企業の創業社長として、私の現役でやれる最終ゴールをそこにもっていったということです。」と長嶋社長は説明してくれた。
ホールセール、リテールセールス、リアルエステートといった既存事業が軌道に乗ったことで、REIT事業を展開する素地が整い、「21世紀を代表する不動産会社を創る」という社長の熱い想いを実現する快進撃が始まった、という印象を強く受けた。今後の同社の変化が楽しみである。Coverage:2022年8月30日
時価総額:195億14百万円
当記事は、有価証券への投資を勧誘することを目的としておらず、また何らかの保証・約束をするものではありません。
投資に関する決定は利用者様ご自身のご判断において行っていただきますようお願い申し上げます。 -
IRニュース
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会社情報
- 社名
- 株式会社グッドコムアセット
- 本社
- 〒160-0023 東京都新宿区西新宿7丁目20−1 住友不動産西新宿ビル17F
- 電話番号
- 03-5338-0170
- 代表者
- 長嶋 義和
- 設立
- 2005年11月
- 資本金
- 15億9,420万円
事業内容
・マンションの企画、開発、分譲
・マンションの建物管理、賃貸管理
・不動産に関するコンサルティング業
・損害保険代理店業
役員
代表取締役社長 長嶋 義和
常務取締役 東 真生樹
常務取締役 森本 周大郎
社外取締役 松山 昌司
社外取締役 小田 香織
社外取締役 野間 幹晴
常勤社外監査役 向江 弘徳
社外監査役 秋元 創一郎
社外監査役 菅原 直美
常務執行役員 煙草谷 洋平
上席執行役員 河合 能洋
上席執行役員 川﨑 信幸
執行役員 藤澤 恒志朗
執行役員 鈴木 晃
執行役員 古内 諒
代表プロフィール
長嶋 義和(ながしま よしかず)
1969年千葉県生まれ。1993年から不動産会社の営業職で経験を積み、2005年、35歳の時に当社設立。設立時より株式上場を目指し、2016年12月にジャスダックに上場。2017年6月には東証二部に市場変更し、2018年4月、東証一部に指定される。