プロパティエージェント( 東証PRM:3464)
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公開日:2020.09.08
17期連続増収増益の不動産事業にDX事業を加え時価総額1000億円を目指す
プロパティエージェント株式会社は、2004年2月に創業して以来、東京都心部や横浜市内の駅から徒歩10分以内といった好立地に絞り込み、投資用/居住用新築マンションの開発販売事業およびプロパティマネジメント事業を一貫して手がけ、17期連続増収増益を達成している。
この蓄積という強みに加え、デジタル・トランスフォーメーション(DX)の推進による業務革新を推進し、大幅な増収・コスト削減を実現。
その上、2020年7月より、新たに中古不動産マッチング事業「スマートセカンド」をスタートさせた。3年で300~400億円の事業規模を目指し、新築マンション開発・販売事業との2本柱に育てる構えだ。
さらに、不動産投資型クラウドファンディングという“不動産×DX”の新サービスや、個人認証プラットフォーム事業に取り組むDX新会社も立ち上げ、事業の裾野を大きく広げている。
これらの事業の現状と今後のビジョンにおけるテンバガー戦略を、代表取締役社長の中西 聖氏に聞いた。事業内容:入居率は業界トップクラスの99.9%
<不動産開発販売事業>
「クレイシア」シリーズ等は441戸、居住用コンパクトマンションブランド「ヴァースクレイシア」シリーズは77戸、都市型アパートブランド「ソルナクレイシア」シリーズは7棟、その他で133戸 を開発・販売。
東京や横浜の都心部の駅から徒歩10分以内という好立地に絞り込むとともに、同社の高品質なプロパティマネジメントにより、99.9%(2020年3月末時点)という業界トップクラスの入居率を誇る。
<プロパティマネジメント事業>
自社開発物件販売後の建物および入居者の管理業務を一貫して手がけ、ストック型の収益軸としてポートフォリオの安定化に寄与。
<不動産投資型クラウドファンディング事業>
複数の投資家が同社選定の不動産投資物件に共同出資し運用するクラウドファンディング「Rimple」を2020年2月にローンチし、10カ月で12万人のユーザーが登録。投資期間は6カ月で、1口1万円から投資可能。
不動産という一定の処分価値が担保される有形資産への投資に加え、出資額全体の30%を同社が劣後出資することにより、高い安全性を確保している。
<中古不動産マッチング事業>
市中の中古マンションを仕入れ、バリューアップし不動産投資家に販売する「スマートセカンド」を展開。
“セカンド”は“中古”と“第2の人生”を意味し、投資家の将来設計や資産ポートフォリオに取り入れる“スマート”な選択を支援したいとの思いを込めている。
2020年7月のスタート初月に40戸を販売し、好調な滑り出しを見せている。業績動向:創業以来、17期連続で増収増益を達成
同社は創業以来、17期連続で増収増益を達成。2020年3月期は、売上高226億7,400万円(前期比105.3%)、営業利益19億300万円(同110.0%)、経常利益15億4,500万円(同111.5%)、当期純利益9億5,400万円(同109.5%)を上げている。
2019年度の首都圏のマンション供給戸数は前年度比22.0%減少しているが、東京
都区部は15.0%減に止まる。
投資用ワンルームマンション市場は、低金利基調や堅調な賃料、実物投資としての認知度拡大などがあいまって好調を維持している。
こうした環境にあって、同社の立地厳選戦略が堅調な業績に奏功しているといえる。事業戦略:独自のスコアリングとハイレベルなDX推進が強み
不動産の仕入開発においては、都心部の駅に近い優良な物件に限定するとともに、独自の観点を取り入れたスコアリングを導入している。
例えば、にぎやかな繁華街と何もない川べりでは、同じ距離を歩くにしても体感距離は異なる。
こうした「駅からの体感距離」をはじめ、「乗降客数の推移予測」「大型商業施設ができる可能性」といった将来を予測する「変動率」指標を従来の「立地」「収益性」「価格」という重要指標に加えた60項目のスコアリングによりチェックを行っているのだ。
同社は年間20棟のペースで新築マンションを開発してきたが、1棟を開発するのに20カ所ほどの土地をスコアリングチェックしている。
それを17年間継続しているので、単純計算で6,800棟分の土地を調べ尽くしていることになる。
「これによって個人の誤った主観を取り除き、データの裏付けによる適切な不動産価値を割り出して、適正価格を導き出すことができている。
また、当該不動産の将来の不確実性を減少させ、仕入リスクを軽減させるメリットも得られる」と中西氏は話す。
さらに、このスコアリングに「長期修繕計画の変動性」といった中古収益不動産の重要指標を加えた「SSスコアリング」を設け、スマートセカンド(SS)事業の物件仕入に活用している。
これによって、的確かつ効率的に物件の査定を行うことができている。なお、スマートセカンド事業は収益化されている物件を仕入れて短期間で販売するモデルであるため、バランスシートに影響を及ぼさずに運営し事業拡大できるメリットがある。
DX推進戦略も業績に大きく寄与している。同社では、2018年12月からオンライン商談の取り組みを開始し、DXに着手。
2019年5月にはDX推進の専門部署を立ち上げ、ITを活用した重要事項説明の社会実験への参画、電子契約の導入、Webオウンドメディアによる集客への集中投資などを行い、完全なオンライン営業活動を可能にした。
これによる効率化で年間20~30億円の売上増、および省力化・合理化により年間1億円程度のコスト削減をもたらしている。成長可能性:2025年に売上高1,000億円、時価総額1,000億円、知名度No.1を目指す
同社では、2025年に「売上高1,000億円、時価総額1,000億円、事業領域における知名度No.1」という目標を掲げている。
売上高1,000億円の内訳は、不動産開発販売事業で350億円、スマートセカンド事業で500億円、その他で150億円というイメージだ。
不動産開発販売事業がオーガニックに成長を続ける上に、スマートセカンド事業を急成長させる形である。
そのビジョンを、中西氏は次のように説明する。
「スマートセカンド事業をスタートさせたことで、当社は新築と中古の双方を扱うことになり、より一層中立的な立場で投資家に説得力をもって提案できるようになりました。
また、中古物件の共用部の修繕について、プロパティマネジメントを手がけている当社ならば見通しがつく強みもあります。
さらに、都心部でのみ17年間にわたって不動産仲介事業者と取引を続けている当社の認知度の圧倒的な高さは、そのまま仕入力の高さに結び付いています。
その上、スマートセカンド事業と親和性の高い『Rimple』の登録ユーザーを現時点で12万人抱えており、これを見込み顧客にできる強みも有しています」 なお、「Rimple」ではセゾンカードの「永久不滅ポイント」を利用して不動産投資をすることができる。
同カード会員の約2,700万人に「Rimple」をアプローチできるポジションにあることも優位といえるだろう。その他の部分では、DX事業への期待が大きい。
同社は、2020年8月、DXYZ(ディクシーズ)株式会社を設立し、成果を上げたDXのノウハウを提供するDX推進支援事業、個人認証プラットフォーム事業、および関連システム受託開発事業を手がける。
個人認証プラットフォーム事業は、スマートフォンの普及による「1億総“顔認証ID”時代」の到来を見通し、セキュリティレベルが高い顔認証IDの利便性を高めるプラットフォームを構築。
同社が手がけるマンションの付加価値として活用するのはもちろん、オフィスの入退室管理、交通系決済や買い物などの代金決済などに広げていく構えだ。
なお、本技術において特許も取得している。さらに同社では「宅配ロボット」や「ドローン受け取りポート」といった先端的テクノロジー活用の研究開発にも取り組み、将来への投資に余念がない。
「当社は、企業体質を強化しながら圧倒的な生産性、成長率、シェアを目指す“登頂ダイエット”をキーワードとして経営に取り組んできました。
その結果、17期連続増収増益を達成する中で、毎年必らず業績目標の上方修正を行う堅実経営を実践してきました。
そんな当社が掲げる『2025年に売上高1,000億円、時価総額1,000億円、事業領域における知名度No.1』という目標も、極めて手堅いものであると自負しています」と中西氏は強調する。Coverage:2020年9月8日
時価総額:89億2百万円
当記事は、有価証券への投資を勧誘することを目的としておらず、また何らかの保証・約束をするものではありません。
投資に関する決定は利用者様ご自身のご判断において行っていただきますようお願い申し上げます。 -
IRニュース
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会社情報
- 社名
- プロパティエージェント PROPERTY AGENT Inc.
- 本社
- 〒163-1341 東京都新宿区西新宿6-5-1 新宿アイランドタワー41階
- 電話番号
- 03-6302-3011
- 代表者
- 中西 聖
- 設立
- 2004年2月6日
- 資本金
- 5億9,666万円
事業内容
不動産開発販売事業
プロパティマネジメント事業
賃貸管理サービス
建物管理サービス
不動産クラウドファンディング事業
役員
代表取締役社長 中西 聖
取締役 村田 貴志
取締役 岩瀬 晃二
取締役 井河 元広
取締役 黒田 恵吾
常勤監査役 長島 良一
監査役 髙橋 聡
監査役 中川 紘平
代表プロフィール
中西 聖(なかにし せい)
西砂建設にて施工管理を経験 その後大芳計画株式会社にて不動産販売事業に従事 2004年当社設立代表取締役就任(現任) 2007年当建物内サービスシステム特許取得 2010年日本プロパティ開発株式会社取締役就任(現任) 2012年大連理工大学研修プログラム修了 2013年城西大学大学院経営学研究科イノベーション専攻修了(MBA) 2015年明治大学大学院グローバルビジネス研究科修了(MBA) 主にリアルエステート領域を専攻