ジェイフロンティア( 東証GRT:2934)

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社長インタビュー記事

ジェイフロンティア( 東証GRT:2934)

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    公開日:2021.11.04

    オンライン診療・服薬指導+処方薬宅配のプラットフォームで市場をリードし成長へ

    独自処方の健康食品・医薬品のD2Cや、自社で培ったノウハウ提供によるマーケティング支援を手がけるジェイフロンティア株式会社。注目すべきは、オンライン診療から服薬指導、処方薬の即日宅配までをワンストップで提供するプラットフォーム『SOKUYAKU』。

    医療従事者が不足し医療現場の効率化が必須の中、高稼働率のプラットフォームでいち早く市場を押さえ、数々の派生サービスを繰り出していく構えだ。そんな同社のten-Bagger戦略を、代表取締役社長執行役員の中村篤弘氏に聞いた。

    事業内容:自社ブランド健康食品・医薬品のD2Cやマーケティング支援、オンライン医療プラットフォームの運営

    <ヘルスケアセールス事業>
    健康食品をはじめとする“ケンビキョウイイ”(健康・美容・教育・癒し・医薬・医療)に特化した自社ブランド商品のD2Cによる販売。主力商品のダイエット食品『酵水素328選』シリーズ(生スムージー、温スムージー、生サプリメント、ドリンクなど)やダイエットコーヒー『カフェリーチェ』などがある。
    約170万人の会員を擁し、累計1,000万個以上を出荷。売上の69.6%を占める。

    <メディカルケアセールス事業>
    しみ、そばかすに飲んで効く医薬品『ホワイピュア』や医薬部外品の『ホワイピュア薬用美白クリーム』、関節痛・神経痛・筋肉痛に効く第3類医薬品『トンデケア』、腹部の脂肪を分解・燃焼・排出する第2類医薬品『生漢煎防風通聖散』、夜間尿・残尿・排尿困難に効く第2類医薬品『生漢煎八味地黄丸』のD2Cによる販売。売上の21.5%を占める。

    また、オンライン診療から服薬指導、処方薬の即日宅配までをワンストップで提供するプラットフォーム『SOKUYAKU』を運営。自宅に居ながらにして医師の診察が受けられるとともに薬剤師による処方薬の服薬指導を受け、即日中に処方薬が宅配されるという画期的なサービスである。

    <ヘルスケアマーケティング事業>
    自社ブランド商品のD2Cで成功したプロモーションや販売促進ノウハウを他社にカスタマイズして提供。具体的には、クライアント企業の商品特性やブランドイメージに応じたタレントのキャスティングやPRイベント、SNSマーケティングなどを支援している。売上の8.9%を占める。

    業績動向:売上高は120%前後の安定成長

    直近5年間の売上高は、84億9,300万円(2021年5月期)、71億600万円(2020年5月期)、61億2,500万円(2019年5月期)、51億9,700万円(2018年5月期)、40億円(2017年5月期)。安定的に120%前後を伸ばし続けている。

    同じく経常利益は、6億7,900万円(2021年5月期)、1億7,400万円(2020年5月期)、3億6,700万円(2019年5月期)、5億8,900万円(2018年5月期)、5億1,700万円(2017年5月期)。2019年度・2020年度の落ち込みは、『SOKUYAKU』の開発先行投資や自社ブランド商品の戦略的広告投資による。

    事業戦略:オリジナル商品は独自の成分配合に強み

    ヘルスケアセールス事業およびメディカルケアセールス事業の健康食品や医薬品などのオリジナル商品は、原則的にOEMとして他のメーカーに開発・生産を依頼している。但し、商品はすべて同社が企画し、メーカーに研究開発費を支払う形で独自の成分や配合を実現。

    一般的にOEMの場合、メーカー側は同一製品のネーミングやパッケージを変えたものを他の販売元に供給するが、同社の場合は研究開発費とセットで独占販売を行う契約を締結し、商品力を高めている。

    『酵水素328選』においては、他社の酵素製品の原料が10~15種類のところ、328種類も使用。さらに、原料の一部である水素水は、水素原子をコーティングする「フラナガン水素」を使用することで揮発性を防いでいる。

    『生漢煎防風通聖散』では、類似製品の中でも「満量処方」という、有効成分の限界量までの処方を行うことで差別化を図っている。

    『ホワイピュア』においては、ビタミンCやL-システインといった有効成分を増やし、1回当たりの服用量を4錠から3錠にして、服用する負担を少しでも減らすといった改良も続けている。

    「当社は、単なるOEMによるありきたりな製品を扱うのではなく、『こういう製品がつくれないか』という完成型の企画を製薬会社や大学などの研究機関に持ち込み、研究開発費を投じて製品化しています。
    その際には、流行や商品の話題性も商品企画に盛り込み、マーケティング/プロモーションまで視野に入れた商品戦略を進めているところが特長的と自負しています」と中村氏は話す。

    そのほか、東京農業大学と低糖質米の共同開発を行い、2022年度での市場投入を目指している。

    ヘルスケアマーケティング事業における強みは、自社D2Cにおける成功ノウハウの提供だけではない。健康食品などのヘルスケア領域に特化し、中立的に様々なD2Cメーカーと取引を行うことで、各社の商品特性や客層、利用メディアやクリエイティブ、投下コストといったデータを入手しながら、ナレッジを蓄積していることも大きい。

    ここからクライアントにあった的確な提案を抽出し、実効性を高めリピートに繋げている。

    成長可能性:『SOKUYAKU』が押さえた面の上で展開する多様なビジネス

    同社は、最大の成長基盤となる『SOKUYAKU』の面展開に力を入れているところだ。 『SOKUYAKU』がターゲットとする薬剤費市場は2019年度で7.7兆円あり、その1%がEC化したとして770億円、10%で7,700億円(*1)の規模がある。

    一方、オンライン診療は2021年6月、恒久的に初診から可能とする閣議決定が行われ、市場規模は2025年には214億円(*2)に達すると予測されている。

    では、現状の医療現場はどうなっているか。日本は医療先進国と見なされているが、人口千人当たりの医師数で見ると、2.4人。1位であるオーストリアの半数以下で、ドイツやイタリア、フランス、英国、米国より低い28位だ。
    一方で、医師1人に対する65歳以上人口では、2位のポーランドの1.6倍強となる112.3人とダントツ1位。日本の医師数は世界的に見て過少であり、医師の負荷は非常に大きいと言える。

    将来の見通しでは、医療・介護給付金の伸びは2040年時点で2018年の1.8倍(*3)に達するが、医療福祉分野における就業者数は1.1倍弱(*4)と追いつかない。

    また、医療機関の実情としては、コロナ禍以前は45%が、コロナ禍以降は67%が赤字経営であり、その分は税金で補填されているという現実がある。

    こうした状況に対し、オンライン診療導入に対する医療機関の意向度は「実施する」が15.2%、「実施しない」が41.2%、「わからない」が43.6%という調査結果(*5)がある。 「システムを含めた環境整備への負担感がボトルネックとなっている」と中村氏は言う。

    事実、既存のオンライン診療プラットフォームの初診からの利用頻度は、2021年1~3月において、35道府県で人口10万人あたり月1回未満と“ほぼゼロ”という状態であることが報道(*6)されている。

    その大きな理由として、オンライン診療に「システム利用料」の名目で1回あたり平均900円の保険外費用が加算されている実態がある(*7)。逆に言えば、赤字経営が多い医療機関にとって、システム導入は大きな負担と言える。

    患者側にしてみれば、オンライン診療は対面診療より高額となり、かつ一律で決められている診療報酬や薬価と違い、任意で決められるシステム利用料がそれぞれ異なるので使いづらいという面もある。

    加えて、医療機関や薬局は業法によって広告などの手段で患者を集客してはならないと定められている。システムを導入しても積極的に集客できず、たまたま集客しても利用料が高く使い勝手の悪いインターフェースだと利用されなくなってしまう。

    こうした実情に対し、同社は医療機関や薬局に対して無償で『SOKUYAKU』を導入する。同社が得る収益は、1診療ごとに患者から150円の利用料と配送原価のみ。

    これによって導入ハードルを劇的に下げ、当社のポジションを有利にします。導入先が『システム利用料』を上乗せしていることは捕捉できるので、そういうユーザーが出ないように都度チェックしています。」(中村氏)

    さらに、『薬の当日宅配SOKUYAKU』としてPRを行うことで、集客も可能である。

    加えて、同社ではシステムの使い方がよくわからない医療機関のフォローや、オンライン診療の予約を入れた利用者や予約先の医療機関にリマインドを行う“カスタマーサクセスオンボーディング”サービスも提供。こうした施策により、2021年9月現在1900か所の導入先において、診療予約から薬の受取までの完結率95%超の実績を挙げている。

    また、特定診療科が存在していない地域の医療機関に『SOKUYAKU』を介して別の地域の当該診療科の医師を繋ぎ、オンライン診療の形で当該診療を実現させる試みも行われている。

    さらに、『SOKUYAKU』の端末を公民館やJAなどに設置することで、無医村の実質的な解消に繋げることも可能だ。

    「『SOKUYAKU』の導入を無償としているのは、まずは面を押さえるためです。面を押さえることで、提携医療機関の電子カルテや提携薬局の薬歴等の医療情報システムとの連携によるデータ活用ビジネス、登録医師や薬剤師等医療人材の紹介・派遣などの人材ビジネス、医師・薬剤師向け情報提供ビジネスなど、多様なビジネスが創出できます。

    日本の市場状況を鑑み、この可能性は非常に大きいと考えています」と中村氏は意気込む。

    *1 厚生労働省「医療費の動向調査」「調剤医療費の動向」
    *2 株式会社シーズプランニング「2020年版オンライン診療サービスの現状を将来展望」
    *3・4 内閣官房・内閣府・財務省・厚生労働省「2040年を見据えた社会保障の将来見通し」
    *5 メディカル・データ・ビジョン社実施アンケート調査(2020年4月)
    *6 日本経済新聞 2021年8月19日朝刊
    *7 日本経済新聞 2021年9月23日朝刊

    Coverage:2021年11月4日

    時価総額:117億93百万円





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    社名
    ジェイフロンティア  JFrontier inc.
    本社
    〒150-0002 東京都渋谷区渋谷2-9-9 SANWA青山bldg.8階
    電話番号
    03-6427-4662
    代表者
    中村 篤弘
    設立
    2008年6月
    資本金
    1,481,623,950円

    事業内容

    メディカルケアセールス事業/ヘルスケアセールス事業/ヘルスケアマーケティング事業


    役員

    代表取締役・社長執行役員:中村 篤弘
    取締役 執行役員 管理本部長:鈴木 信二
    社外取締役:榊原 一久
    社外取締役:伊藤 史哉
    社外取締役:小田部 真司
    常勤監査役:小山 孔司
    社外監査役:保成 久男
    社外監査役:進藤 喜嗣生
    執行役員:来海 規子
    執行役員:吉田 雄亮
    執行役員:高野 好広

    代表プロフィール

    中村 篤弘のプロフィール画像

    中村 篤弘(なかむら あつひろ)

    神奈川県相模原市生まれ。桜美林大学中国語中国文学科を卒業後、小売店・POSシステム会社・広告代理店に勤務。 2010年にモバイルフロンティア株式会社代表取締役就任。2014年、ジェイフロンティア株式会社に社名変更。 東証一部上場企業ドラッグストアでの販売業務からスタートをし、EC向けインターネット広告代理店の責任者に就任。 個人で月間2億円の販売を達成。GMOの代理店カンファレンスでサイバーエージェント、オプト、セプテーニを抜いて1位受賞。 2010年よりジェイフロンティア株式会社(旧モバイルフロンティア株式会社)代表取締役社長に就任。