WOW WORLD( 東証PRM:2352)
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公開日:2021.07.01
マーケティングコミュニケーションで世の中に“WOW!”を生み出し続ける
マーケティングコミュニケーションシステム『WEBCAS』シリーズを提供している、株式会社WOW WORLD(ワオワールド)。
同社は2021年7月1日、旧社名の株式会社エイジアから現社名に変更するとともに、新たなビジョンやミッション、バリューを掲げ直した。
そこには、中期経営計画に掲げた今後の積極的なM&A戦略による成長を目指すために、より相応しいものに一新するという狙いがある。
そんな同社のten-Bagger戦略を、代表取締役社長の美濃和男氏に聞いた。事業内容:独自のマーケティングコミュニケーションシステムを提供
<エンタープライズ・ソフトウェア事業>
マーケティングコミュニケーションシステム『WEBCAS』シリーズの企画・開発・販売を行う。
同シリーズには、顧客にメッセージを届ける「メール配信システム」「パーソナライズLINE配信」「SMS配信システム」、顧客の声を集め理解する「アンケートシステム」、問い合わせに対応する「問い合わせメール共有システム」、会員登録の仕組みを作る「顧客管理システム」がラインナップされている。
2021年3月末の時点で累計導入社数は7,000社を超えた。2019年度メール送信パッケージ市場において、シェア35%でNo.1の地位を獲得(「ITR Market View:メール/Webマーケティング市場2021」)。
同社の2021年度の売上高で71.3%を占める主力事業である。
<デジタル・マーケティング運用支援事業>
子会社の株式会社コネクティによる独自クラウドCMS製品の提供やWebサイト構築・運用、株式会社FUCAによるメールコンテンツ制作やWeb制作を行う。売上比率は21.3%。
<EC事業>子会社の株式会社ままちゅによるベビー服ECサイト『べびちゅ』の運営。
<その他事業>
情報システムなどの受託開発を行う。業績動向:12期連続で増収を継続
直近5年間の売上高(連結)は、23億5,600万円(2021年3月期)、18億7,500万円(2020年3月期)、17億300万円(2019年10月期)、15億2,300万円(2018年3月期)、13億3,000万円(2017年3月期)で、110~125%の成長ペース。
12期連続増収を継続している。同じく売上総利益(連結)は、13億円1,600万円(2021年3月期)、11億5,600万円(2020年3月期)、9億8,500万円(2019年3月期)、9億4,300万円(2018年3月期)、8億4,900万円(2017年3月期)。
概ね110%台の伸びだ。事業戦略:企画・開発・販売の全てを内部で手掛ける
『WEBCAS』シリーズの強みは、企画・開発・販売の全てを同社内部で手掛けることにより、顧客の声を吸収し製品の性能を高め続ける体制にある(販売は一部、外部SIerも行う)。
製品としての強みは、メッセージ内容を1 to 1で変えたメールを1時間あたり300万通配信できる業界最高水準の性能にある。
こうした同社の製品強化体制づくりをさかのぼってみよう。
1995年にホームページ制作会社としてスタートした同社は、1999年から『WEBCAS』の研究開発に着手し、2001年にメール配信機能の『WEBCAS e-mail』、2002年にアンケート機能の『WEBCAS formulator』をリリースする。
いずれも顧客のサーバーにインストールする高機能の製品として好評を博し、2005年には東証マザーズに上場を果たす。
しかし、2008年9月に発生した「リーマン・ショック」で高機能・高価格の『WEBCAS』は売れなくなった。
このタイミングで現職の美濃氏が社長に就任して、2つの大きな意思決定を行った。1つ目は、インストール型からクラウドによるSaaS型への移行。
これにより、月額数万円からの顧客が導入しやすいサービスに転換した。
2つ目は、当時売り上げの40%ほどを占めていた受託開発からの脱却である。「裁量労働制でエンジニアの長時間労働が続き、社内が疲弊していた。
取引額が最大の主要顧客のところに仕事を断りに行った時は、胆力を要した」と美濃氏は述懐する。
しかし、この決断によってエンジニアのパワーを『WEBCAS』シリーズの開発に集中させることで、その後のラインナップ拡充や性能の向上に繋げ、12期連続増収に転換することができたのである。
一方、2013年にはFUCAをグループ化してメールコンテンツなどの制作機能を確保。
2020年には、コネクティの持株会社であるCONNECTY HOLDINGをグループ化し、独自CMS製品やWebサイト構築、デジタルマーケティング支援などによる大企業のWeb戦略をワンストップで提供する機能を確保した。
「『WEBCAS』シリーズは、エンドユーザーのメールアドレスを持っていなければ機能が発揮できないという弱点がありました。
しかし、コネクティのグループ化によってエンドユーザーのメールアドレスを獲得する上流工程が確保でき、FUCAを含めて下流のマーケティング施策まで一貫して提供できるようになったのです」と美濃氏は話す。
なお、2018年にはままちゅを設立し、ハモンズ株式会社(現・フルカイテン株式会社)からベビー服ECサイト『べびちゅ』の事業譲渡を受けた。
WOW WORLDの主力クライアントはEC事業を営む企業。自らEC事業を運営することで、『WEBCAS』シリーズの機能強化やコンサルティング事業のノウハウ獲得に繋げている。成長可能性:大型M&Aでもう1本の柱をつくる
2020年5月、同社は中期経営計画を策定した。その主な戦略テーマは、次の3点。
①既存事業の飛躍的成長
②新規事業「もう1つの柱づくり」
③(①、②を実現させるための)財務戦略の最適化①においては『WEBCAS』シリーズの解約率低下およびクロスセル、アップセルを主要施策としている。
解約率低下は、営業部門に「カスタマーサクセス部」を設けてユーザーの使用促進および満足度向上を図る。
そこで、カスタマーサクセスの第一人者である弘子ラザヴィ氏を社外取締役に迎えることに成功。その知見を最大限活用していく。
②においては、5年後の2026年度までに『WEBCAS』シリーズ並みの事業を新たにつくり上げることを目指す。
そのために、大型のM&Aを仕掛ける構えだ。
グループ化を考えているのは、上流から下流まで一貫して提供できるようになったマーケティング施策をより太くする業態。
「目下、マーケティングの分析力を強化し改善提案をしていけるような事業を検討している」と美濃氏は話す。
また、以降のM&Aで持株会社化も検討し、東証の市場再編に備える方針だ。このM&A構想が社名変更の契機となった。
「主要事業を迎え入れる上で、それまでの“エイジア”という社名では相手側の理解や共感は得にくいのではないかと考えました。エイジアは、アジアを始めとする世界を目指すという思いで付けられた社名ですが、これから一緒になって作っていきたい世界観を社名にすべきと思ったのです。そこで、グループ会社のトップなどと議論を重ね、“WOW WORLD”という社名に決定しました」と美濃氏は経緯を説明する。
“WOW!”とは、期待以上の何かに遭遇した瞬間に、思わず口にする言葉。
素晴らしいシステムやサービスを体感した時。自分では気づいていなかった、欲しいモノやコトを絶妙なタイミングで勧められた時。
WOW WORLDは、コミュニケーションシステムとサービスの提供を通じて、ユーザーにそんな嬉しい瞬間をつくり続けるという思いを込めている。
社名とともに、ビジョン、ミッション、バリューも改めた。
●ビジョン:人と技術の力で、驚きがあふれるセカイを。
●ミッション:リレーションエンジニアリングで、人と企業の間にうれしい「つながり」をつくる。
●バリュー:社会にWOWを! クライアントにWOWを! 仲間にWOWを!社会とは、クライアントとエンドユーザーの関係を指す。
同社の製品やサービスを活用してクライアントがエンドユーザーとの間に“WOW!”を生み出すことを支援する。
もちろん、同社とクライアントとの間、そして同社で働く仲間の間でも“WOW!”を生み続けていこうと呼びかけるものだ。
この価値観を社内に浸透させ、カルチャーとして確立させるために、同社では「WOWミーティング」を発足。
新卒入社3年目の若手社員がリーダーを務め、主に20代の社員6名のメンバーが任命された。
「3つのシチュエーションでどんな“WOW!”が生み出せるか、すぐに実現できる、できないにかかわらず、夢のあることを自由に考えてもらう」と美濃氏。
今後、メンバーを入れ替えて第2弾、第3弾と打ち出し続けるという。
同社が今後、どんな“WOW!”を生み出すのか、楽しみな状況だ。Coverage:2021年7月1日
時価総額:90億19百万円
当記事は、有価証券への投資を勧誘することを目的としておらず、また何らかの保証・約束をするものではありません。
投資に関する決定は利用者様ご自身のご判断において行っていただきますようお願い申し上げます。 -
IRニュース
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会社情報
- 社名
- WOW WORLD
- 本社
- 〒141-0031 東京都品川区西五反田7-20-9 KDX西五反田ビル4階
- 電話番号
- 03-6672-6788
- 代表者
- 美濃 和男
- 設立
- 1995年4月11日
- 資本金
- 3億2,242万円
事業内容
マーケティングコミュニケーションシステム「WEBCAS」シリーズの開発・販売
メールコンテンツやWebアンケートのコンサルティング・制作
ウェブサイトおよび企業業務システムの受託開発
グループ企業によるクラウドCMS、CDPの提供
役員
代表取締役社長 美濃 和男
専務取締役 中西 康治
取締役 磯貝 浩貴
取締役 朱田 晋一
取締役 服部 恭之
社外取締役 宮田 一雄
社外取締役 弘子 ラザヴィ
監査等委員(取締役)長山 裕一
監査等委員(社外取締役)川名 愛美
監査等委員(社外取締役)山口 里美
CTO 藤田 紀行
代表プロフィール
美濃 和男(みの かずお)
1989年に明治大学を卒業後、株式会社みずほ銀行を経て、2005年にエイジアの取締役経営企画室長に就任。2009年に代表取締役社長に就任。